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2022年2月8日

【第4回垂れ流し数学模試】理型第6問・文型第5問解説

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回は 第4回垂れ流し数学模試 の 理型第6問・文型第5問 を解説しようと思います。

理型 第6問 / 文型 第5問

nを自然数とする.

赤玉2個と白玉n個のみが入った箱があり, この箱から1個の玉を無作為に取り出す操作を繰り返す.

ただし各操作ごとに, 取り出した玉が白玉であればそれを箱の中に戻し,
赤玉であればそれを箱の中に戻すことなく次の回の操作に移る.
箱から赤玉を2個とも取り出した時点で, 操作の繰り返しを終了する.

kを2以上の整数とするとき, ちょうどk回だけ操作を繰り返して終了する確率を,
nおよびkを用いて表せ.


理型第6問・文型第5問は確率です。
試行自体は反復のようですが、赤玉の出したタイミングによって
その回における白玉を出す確率, 赤玉を出す確率が変わります.

解答のために考えること

最初に赤玉を取り出すのがm回目(mは1以上k-1以下の自然数)として,
まずその場合でかつk回目に2個目の赤玉を出して終了する確率を求めます.

最終的にはそれをmに関して和をとれば終わりです.
この和はよく見ると等比数列の和になっていて, 整理すると割と単純な形になります.

解答

最初に赤玉を取り出すのがm回目(mは1以上k-1以下の自然数)のときに,
k回目で2個目の赤玉を取り出して終了する場合,

  • m-1回目までの各操作で, 白玉を取り出す確率は\dfrac{n}{n+2}
    (ただしm=1のときはこれは起こらない)
  • m回目の操作で赤玉を取り出す確率は\dfrac{2}{n+2}
  • m+1回目以降k-1回目までの各操作で, 白玉を取り出す確率は\dfrac{n}{n+1} (ただしm=k-1のときはこれは起こらない)
  • k回目の操作で赤玉を取り出す確率は\dfrac{1}{n+1}

だから, m回目に最初に赤玉を取り出して, かつk回目に2個目の赤玉を取り出す確率は, \begin{aligned} &\left(\dfrac{n}{n+2}\right)^{m-1}\cdot \dfrac{2}{n+2}\cdot \left(\dfrac{n}{n+1}\right)^{(k-1)-(m+1)+1}\cdot\dfrac{1}{n+1}\\ =&\dfrac{2n^{k-2}}{(n+2)^m(n+1)^{k-m}} \end{aligned}

よって, k回で終了する確率は, \begin{aligned} &\dsum_{m=1}^{k-1}\dfrac{2n^{k-2}}{(n+2)^m(n+1)^{k-m}} \\ =&\dfrac{2n^{k-2}}{(n+1)^k}\dsum_{m=1}^{k-1}\left(\dfrac{n+1}{n+2}\right)^m\\ =&\dfrac{2n^{k-2}}{(n+1)^k}\cdot \frac{n+1}{n+2}\cdot \dfrac{1-(\frac{n+1}{n+2})^{k-1}}{1-\frac{n+1}{n+2}} \\ =&\dfrac{2n^{k-2}}{(n+1)^{k-1}}\left\{1-\left(\frac{n+1}{n+2}\right)^{k-1}\right\}\\ =&\bold{2n^{k-2}\left\{\dfrac{1}{(n+1)^{k-1}}-\dfrac{1}{(n+2)^{k-1}}\right\}} \end{aligned}

文字が多くなって少し面倒かもしれないですが,
落ち着いて処理すれば難しくはなかったと思います.
単純な全く同じ試行ではなく, 途中の結果に依存する形で繰り返しを行う場合は,
各ケースごとで確率を求めることに注意できれば良いと思います.

というわけで, これで第4回垂れ流し数学模試の解説がすべて終了しました。
今年は共通テストの数学が突然変異を起こしてしまったようで,
思うようにいかなかった人もいるかもしれませんが,
月並みではありますが最後まであきらめずに志望校合格を目指してください。

来年度もこの模試企画をおそらくやると思いますが,
そのときには大学生として問題を眺めることになっていると幸いです。

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた。

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