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2022年2月3日

【第4回垂れ流し数学模試】文型第2問解説

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回は 第4回垂れ流し数学模試 の 文型第2問 を解説します。

文型 第2問

問題

下図はxy平面上で, 曲線C_1は放物線y=x^2であり,
C_2, C_3はそれぞれC_1を点A(0, 4)を中心に反時計回りに120^{\circ}, 240^{\circ}だけ回転させたものである.

このとき, 図の斜線部分の面積を求めよ.


もちろん積分を使うのですが, C_1はともかくC_2C_3の式を求めて積分して,
となると数Ⅲの知識を仮定しても時間がかかりそうです.
「文型問題」なんて言うのに文系の知識じゃ解けないのか, と思われるかもしれませんが,
対称性をうまく使えば数Ⅱまでの知識でちゃんと解くことができます.

解答のために考えること

放物線の対称性と, Aに関しての120^{\circ}, 240^{\circ}の回転により,
斜線部は合同な図形6個に分けられ, そのうち1つは境界の一部がC_1になります.

この領域はさらに\triangle{\rm APQ}と, (線分PQとC_1に囲まれた部分の面積)に分けられて,
後者は積分により求めます.

解答

放物線の対称性, およびC_2, C_3がそれぞれC_1
点Aを中心に反時計回りに120^{\circ}, 240^{\circ}だけ回転したものであることから,
右の図のように, 斜線部は図内のDと合同な6つの図形に分けられる.

Dの面積は, 右下図内のようにして,
\triangle{\rm APQ}の面積S_1と,
線分PQとC_1に囲まれた部分の面積S_2の和に等しい.

\angle{\rm PAO}=60^{\circ}であることに着目すると,
直線APはx軸の正の部分に対し150^{\circ}の向きにあるので,
直線APの方程式は, y-4=(\tan{150^{\circ}})x,
すなわちy=-\dfrac{1}{\sqrt{3}}x+4

よってPの交点のx座標は, 方程式x^2=-\dfrac{1}{\sqrt{3}}x+4を解いて,
x^2+\dfrac{1}{\sqrt{3}}x-4=0, \left(x+\dfrac{4}{\sqrt{3}}\right)\left(x-\sqrt{3}\right)=0,
x\gt 0よりx=\sqrt{3}
したがって, {\rm P}\left(\sqrt{3}, 3\right)となる.

また\angle{\rm QAO}=120^{\circ}であることに着目すると,
直線APはx軸の正の部分に対し30^{\circ}の向きにあるので,
直線AQの方程式は, y-4=(\tan{30^{\circ}})x,
すなわちy=\dfrac{1}{\sqrt{3}}x+4

よってQの交点のx座標は, 方程式x^2=\dfrac{1}{\sqrt{3}}x+4を解いて,
x^2-\dfrac{1}{\sqrt{3}}x-4=0, \left(x-\dfrac{4}{\sqrt{3}}\right)\left(x+\sqrt{3}\right)=0
x\gt 0よりx=\dfrac{4}{\sqrt{3}}
したがって, {\rm Q}\left(\dfrac{4}{\sqrt{3}}, \dfrac{16}{3}\right)となる.

\triangle{\rm APQ}の面積S_1を求める.
{\rm AP}=\sqrt{(\sqrt{3})^2+(4-3)^2}=2, {\rm AQ}=\sqrt{\left(\dfrac{4}{\sqrt{3}}\right)^2+\left(\dfrac{16}{3}-4\right)^2}=\dfrac{8}{3}
\angle{\rm PAQ}=60^{\circ}だから,
S_1=\dfrac{1}{2}\cdot {\rm AP}\cdot {\rm AQ}\cdot \sin{60^{\circ}}=\dfrac{1}{2}\cdot 2\cdot \dfrac{8}{3}\cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2}=\dfrac{4\sqrt{3}}{3}

線分PQとC_1に囲まれた部分の面積S_2に関して,
線分PQの方程式をy=ax+b (a, bは実数の定数, a\neq 0)とすると, \begin{aligned} S_2&=\dint_{\sqrt{3}}^{\frac{4}{\sqrt{3}}}\{(ax+b)-x^2\}dx=-\dint_{\sqrt{3}}^{\frac{4}{\sqrt{3}}}\left(x-\sqrt{3}\right)\left(x-\dfrac{4}{\sqrt{3}}\right)dx\\ &=\dfrac{1}{6}\left(\dfrac{4}{\sqrt{3}}-\sqrt{3}\right)^3=\dfrac{1}{18\sqrt{3}}=\dfrac{\sqrt{3}}{54} \end{aligned}

よって求める斜線部分の面積は, 6(S_1+S_2)=6\left(\dfrac{4\sqrt{3}}{3}+\dfrac{\sqrt{3}}{54}\right)=\bold{\dfrac{73\sqrt{3}}{9}}

普通の幾何の問題であっても, 積分の絡んだものでも,
対称性に気を付けると複雑な計算を回避できます。
今回は最終的に数Ⅱの多項式の積分のみで済みましたが,
数Ⅲの微積の求積問題であっても, 対称性に気付くかどうかで計算量が変わる問題はいくつかあったりします。

なお, 最後の線分PQとC_1で囲まれた図形の面積S_2は, 直線PQの方程式を求めてもよいのですが,
直線と放物線が高々2点でしか交わらないことを考えれば, 非積分関数が(x-(交点のx座標1))(x-(交点のx座標2))であることがわかりますので,
次のいわゆる『6分の3乗公式』

\alpha, \betaを実数の定数とするとき, \dint_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(x-\beta)dx=-\dfrac{1}{6}(\beta-\alpha)^3

が使える形に帰着できて計算を省力化できます.

次回は理型第2問・文型第3問(共通問題)を解説します。

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた。

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