今まで、整式の加法、減法、乗法、および除法を学習しました。
今後しばらくは、式を扱ううえで
基本として使えるようになってほしい
展開や因数分解の公式や方法についてのお話が中心となります。
今回は、その第1弾として、
2次の展開公式について
お話していきます。
[1] 2次の展開の公式
まずは中学校の復習です。次の5つの公式を学習しているはずです。
展開の公式(1)
(1) m(x+y)=mx+my (分配法則)
(2) (x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
(3) (a+b)^2=a^2+2ab+b^2 (和の2乗)
(3') (a-b)^2=a^2-2ab+b^2 (差の2乗)
(4) (a+b)(a-b)=a^2-b^2 (和と差の積)
(1) m(x+y)=mx+my (分配法則)
(2) (x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
(3) (a+b)^2=a^2+2ab+b^2 (和の2乗)
(3') (a-b)^2=a^2-2ab+b^2 (差の2乗)
(4) (a+b)(a-b)=a^2-b^2 (和と差の積)
注意すべき部分がいくつかありましたね。
特に注意が必要なところは...
(3)と(3')は中央の符号は( )内の符号によって変わり、
最後の項の符号は常に+になります。
中央の項の2も忘れないように。
(3) (a\textcolor{red}{+}b)=a^2\textcolor{red}{+2}ab\textcolor{red}{+}b^2
(3') (a\textcolor{red}{-}b)=a^2\textcolor{red}{-2}ab\textcolor{red}{+}b^2
(3')は(3)のbが-bにかわった、と考えると、
符号のところは理解できるはずです。
(4)は2つの( )の中が、
前の項が同じで、後ろの項は符号が違うだけ
のときに使います。
例を見てみます。
(x+7)(x-2)を展開するには、公式(2)を使って、
(x+7)(x-2)=x^2+(7-2)x+7\cdot (-2)=x^2+5x-14
となります。
(a+6)^2や(3x-2)^2を展開するには、公式(3)や(3')を使って、
(a+6)^2=a^2\textcolor{red}{+2}\cdot a\cdot 6\textcolor{red}{+}6^2=a^2+12a+6
(3x-2y)^2=(3x)^2\textcolor{red}{-2}\cdot 3x\cdot 2y\textcolor{red}{+}(2y)^2=9x^2-12xy+4y^2
です。
(4x-5)(4x+5)を展開するには、公式(4)を使って、
(4x-5)(4x+5)=(4x)^2-5^2=16x^2-25
となります。
それぞれの式の形がどの公式にあてはまるか、
よく確かめて公式を使いましょう。
練習問題
Q1. 次の式を展開せよ。
(1) -3a(4a-b) (2) (x-5)(x-7) (3) (x+10y)(x-y)
(4) (3x-1)^2 (5) (4x+3y)^2 (6) (x+8)(x-8) (7) (6x-7y)(6x+7y)
Q1. 次の式を展開せよ。
(1) -3a(4a-b) (2) (x-5)(x-7) (3) (x+10y)(x-y)
(4) (3x-1)^2 (5) (4x+3y)^2 (6) (x+8)(x-8) (7) (6x-7y)(6x+7y)
では、お待たせしました、
新しい公式です。
…といっても、次の公式は個人的には
そんなに利用価値が高い気はしないんですが…
展開の公式(2)
(5) (\textcolor{red}{a}x+\textcolor{orangered}{b})(\textcolor{green}{c}x+\textcolor{blue}{d})=\textcolor{red}{a}\textcolor{green}{c}x^2+(\textcolor{red}{a}\textcolor{blue}{d}+\textcolor{orangered}{b}\textcolor{green}{c})x+\textcolor{orangered}{b}\textcolor{blue}{d}
(5) (\textcolor{red}{a}x+\textcolor{orangered}{b})(\textcolor{green}{c}x+\textcolor{blue}{d})=\textcolor{red}{a}\textcolor{green}{c}x^2+(\textcolor{red}{a}\textcolor{blue}{d}+\textcolor{orangered}{b}\textcolor{green}{c})x+\textcolor{orangered}{b}\textcolor{blue}{d}
式の中で、xについて同じ次数になる部分をかき集めろ、
と言っているわけですね。
つまり、
・x^2の項はxが2個--->両方左側(ac)
・xの項はxが1個--->外側どうし(ad)、内側どうし(bc)をそれぞれかけてたす
・定数項はxが0個--->両方右側(bd)
になってるわけです。
例えば、
(\textcolor{red}{3}x+\textcolor{orangered}{1})(\textcolor{green}{2}x+\textcolor{blue}{1})
を展開するときは、
・x^2の項は両方左側 \textcolor{red}{3}\times \textcolor{green}{2}x^2=6x^2
・xの項は外側どうしと内側どうしをかけて足すから (\textcolor{red}{3}\times \textcolor{blue}{1}+\textcolor{orangered}{1}\times \textcolor{green}{2})x=(3+2)x=5x
・定数項は両方右側 \textcolor{orangered}{1}\times \textcolor{blue}{1}=1
となるので、(3x+1)(2x+1)=6x^2+5x+1となります。
同様にして、例えば、
(\textcolor{red}{2}x\textcolor{orangered}{-3})(x+\textcolor{blue}{4})=\textcolor{red}{2}\times \textcolor{green}{1}x^2+\{ \textcolor{red}{2}\times \textcolor{blue}{4}+(\textcolor{orangered}{-3})\times \textcolor{green}{1}\}x+(\textcolor{orangered}{-3})\times \textcolor{blue}{4}=2x^2+5x-12
(\textcolor{red}{6}x\textcolor{orangered}{-y})(\textcolor{green}{5}x\textcolor{blue}{-2y})=\textcolor{red}{6}\times \textcolor{green}{5}x^2+\{ \textcolor{red}{6}\times (\textcolor{blue}{-2y})+(\textcolor{orangered}{-y})\times \textcolor{green}{5}\} x+(\textcolor{orangered}{-y})\times (\textcolor{blue}{-2y})
\phantom{(6x-y)(5x-2y)}=30x^2-17x\underline{y}+2y^2
という感じになります。
下の例では、yを忘れないようにしましょう。
練習問題
Q2. 次の式を展開せよ。
(1) (x+1)(2x+1) (2) (3x-2)(x+3) (3) (2x-5)(4x-1)
(4) (4x+y)(x-2y) (5) (3a+4b)(3a+2b) (6) (5x-4y)(2x-7y)
Q2. 次の式を展開せよ。
(1) (x+1)(2x+1) (2) (3x-2)(x+3) (3) (2x-5)(4x-1)
(4) (4x+y)(x-2y) (5) (3a+4b)(3a+2b) (6) (5x-4y)(2x-7y)
続いて、こちらは3項の和の2乗の公式です。
これはたまに使う公式ですから覚えておきましょう。
展開の公式(3)
(6) (a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+\textcolor{red}{2}ab+\textcolor{red}{2}bc+\textcolor{red}{2}ca
(6) (a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+\textcolor{red}{2}ab+\textcolor{red}{2}bc+\textcolor{red}{2}ca
注 上にcaとあります。acと書いてもよいのですが、a→b→c→aという順番になるよう、
わざとcaと書くことがあります。この書き方を、輪環の順と呼びます。
なかなかきれいな公式だと思ってくれるとうれしいです。
2乗、2乗、2乗、の後、「2×2つを選んで積」が全部で3組
という感じです。
これは使えるようになると、
わざわざ分配法則使ったり、
筆算したりする手間が省けるので、
非常に便利です。
なお、もし-が出てきたら、
適宜、aを-aに、bを-bに、cを-cに変えて使います。
例えば、
(x+2y+3)^2=x^2+(2y)^2+3^2+\textcolor{red}{2}\cdot x\cdot 2y+\textcolor{red}{2}\cdot 2y\cdot 3+\textcolor{red}{2}\cdot 3 \cdot x
\phantom{(x+2y+3)^2}=x^2+4y^2+9+4xy+12y+6x
\phantom{(x+2y+3)^2}=x^2+4xy+4y^2+6x+12y+9
(4x-3y+2z)^2=\{4x+(\textcolor{blue}{-3y})+2z\}^2
\phantom{(4x-3y+2z)^2}=(4x)^2+(\textcolor{blue}{-3y})^2+(2z)^2
+\textcolor{red}{2}\cdot 4x\cdot (\textcolor{blue}{-3y})+\textcolor{red}{2}\cdot (\textcolor{blue}{-3y})\cdot 2z+\textcolor{red}{2}\cdot 2z \cdot 4x
\phantom{(4x-3y+2z)^2}=16x^2+9y^2+4z^2-24xy-12yz+16zxという感じ。
なお、この公式(6)の証明は
次の次あたりで練習問題にしますので
期待して待っててください!
練習問題
Q3. 次の式を展開せよ。
(1) (x+y+1)^2 (2) (3a-b+2)^2
(3) (x+5y-3z)^2 (4) (2x-4y-5z)^2
Q3. 次の式を展開せよ。
(1) (x+y+1)^2 (2) (3a-b+2)^2
(3) (x+5y-3z)^2 (4) (2x-4y-5z)^2
というわけで、ここまでで2次の主な公式を取り上げました。
ところで、3項の和の2乗はわかりましたが、
4項、5項のときはどうなるのか、
知りたい人は、頑張ってやってみてください。
この前と同様、レベルアップ問題の解答は今回は載せませんので、
じっくり取り掛かってください。
実は、ある規則性がありますので、
それが見つかるといいかな、と思います。
レベルアップ問題
LUQ3. 次の式を展開せよ。
(1) (a+b+c+d)^2 (2) (a+b+c+d+e)^2
LUQ3. 次の式を展開せよ。
(1) (a+b+c+d)^2 (2) (a+b+c+d+e)^2
次回は3次の展開公式になります。
少しややこしい公式が登場しますので、
今回のところはよく復習して、
練習問題制覇を目指してください!
では、今回はここまで。
お読みくださりありがとうございました。
ではまた!
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練習問題の答え
Q1. (1) -12a^2+3ab (2) x^2-12x+35 (3) x^2+9xy-10y^2
(4) 9x^2-6x+1 (5) 16x^2+24xy+9y^2 (6) x^2-64 (7) 36x^2-49y^2
Q2. (1) 2x^2+3x+1 (2) 3x^2+7x-6 (3) 8x^2-22x+5
(4) 4x^2-7xy-2y^2 (5) 9x^2+18xy+8y^2 (6) 10x^2-43xy+28y^2
Q3. (1) x^2+2xy+y^2+2x+2y+1
(2) 9a^2-6ab+b^2+12a-4b+4
(3) x^2+25y^2+9z^2+10xy-30yz-6zx
(4) 4x^2+16y^2+25z^2-16xy+40yz-20zx
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