もうすぐ新年度ですね。
この記事をお読みのみなさんの中には、
この春に進級したり、卒業して進学したりする人もいると思います。
進級、進学、おめでとうございます。
さて、中学2年に進級する人、また、高校に進学する人は、
最初に式の取り扱い方について学習します。
今回は、「単項式と多項式」についてまとめました。
このあたりのお話は、数学全般にかかわる基本事項なので、
中学生・高校生いずれも、しっかりと理解しておいてほしいですね。
中学校に進級する人は、まだここでお話しすることが難しいとは思いますが、
中学校ではxやyなどの文字を使った式が「自在に」扱えるようになるんだな、
ということは知っておいてください。
では今回のお話を始めます。
[1] 単項式・多項式・整式
まずは、式にはいろいろな種類があります。どんな種類があるのか覚えておきましょう。
定義
1) 文字や数、およびそれらのかけ合わせによってできた式を、単項式という。
2) 2つ以上の単項式の和として表された式を、多項式という。
3) 単項式と多項式をまとめて整式という。
1) 文字や数、およびそれらのかけ合わせによってできた式を、単項式という。
2) 2つ以上の単項式の和として表された式を、多項式という。
3) 単項式と多項式をまとめて整式という。
例えば、
$a,\quad 3,\quad 7xy,\quad -3x^{3}y^{2}$
のような式は、文字や数、およびそれらのかけ合わせでできていますから、
これらの式は単項式です。
一方、
$2x+3, \quad x^2+3xy+y^2, \quad 2a^3-3a^2+a+4$
のような式は、文字や数のかけ合わせだけでなく、たし算も含まれていて、
2つ以上の単項式の和としてみることができます。
したがって、これらの式は多項式である、というわけです。
注意したいのは、ひき算はたし算とみる必要があるということです。
例えば上の$2a^3\textcolor{red}{-3a^2}+a+4$は、
ここでは$2a^3\textcolor{red}{+(-3a^2)}+a+4$と、すべてたし算で表すことができます。
さて、例えば式$\dfrac{3}{4}x$はどうか、というと、これは単項式です。
なぜなら$\dfrac{3}{4}x$は、数$\dfrac{3}{4}$と文字$x$との掛け算で表されているからです。
一方、式$\dfrac{1}{x}$は、こちらは単項式でも多項式でもなく、したがって、整式はありません。
こちらは1を$x$で割るという操作が含まれます。
つまり、文字を含んだ式が分母に来ると、整式ではなくなるということです。
(いずれやりますが、それは分数式と呼ばれるものです)
では、練習問題を解いて、どれだけわかったかチェックしましょう。
(答えは今回の記事の一番最後にのせます)
練習問題
Q1.次の式のうちで、単項式であるもの、多項式であるものをそれぞれ選べ。
また、整式であるものを選べ。
①$x^2-5x$ ②$-3xy^3$ ③$1-\dfrac{2}{3}a$ ④$\dfrac{x}{x+1}$ ⑤$1$
Q1.次の式のうちで、単項式であるもの、多項式であるものをそれぞれ選べ。
また、整式であるものを選べ。
①$x^2-5x$ ②$-3xy^3$ ③$1-\dfrac{2}{3}a$ ④$\dfrac{x}{x+1}$ ⑤$1$
[2] 項
定義
1) 単項式では、その単項式自身をその単項式の項という。
2) 多項式では、+でつながれた1つ1つの単項式を、その多項式の項という。
3) 整式に含まれる項のうち、文字のかけられていない(数だけの)項を、定数項という。
1) 単項式では、その単項式自身をその単項式の項という。
2) 多項式では、+でつながれた1つ1つの単項式を、その多項式の項という。
3) 整式に含まれる項のうち、文字のかけられていない(数だけの)項を、定数項という。
注 ここでは、単項式とは整式のうちで項が1つのものである、という立場をとっています。
一方、単項式を項が1個の多項式と考えて、
「多項式」という言葉を「整式」の意味で使うこともあります。
例えば、多項式$2a^3-3a^2+a+4$の項は
$2a^3,\quad -3a^2,\quad a,\quad 4$ の4つだということになります。
また、この式の項$4$は文字がかけられていないので、
$4$はこの式の定数項です。
もちろん、定数項はいつでもあるわけでなく、
例えば、多項式$x^2+3xy+y^2$には定数項はありません。
単項式の場合、例えば$7xy$の項は、$7xy$のみになるということになります。
では、ここまでで練習問題です。また答えは一番最後にあります。
練習問題
Q2.次の式の項をすべて答えよ。また、定数項があればそれを求めよ。
(1) $-6x$ (2) $3a^2-4a+5$ (3) $2x^2+xy-2y^3$
Q2.次の式の項をすべて答えよ。また、定数項があればそれを求めよ。
(1) $-6x$ (2) $3a^2-4a+5$ (3) $2x^2+xy-2y^3$
[3]係数・次数
定義
1) 整式にふくまれる1つの項において、その項にかけられている数のことを、その項の係数という。
2) 整式に含まれるすべての項にかけられている文字の数のうち最大のものを、その整式の次数という。次数が$n$の整式を$n$次式という。
1) 整式にふくまれる1つの項において、その項にかけられている数のことを、その項の係数という。
2) 整式に含まれるすべての項にかけられている文字の数のうち最大のものを、その整式の次数という。次数が$n$の整式を$n$次式という。
例えば、単項式$7xy$では、係数は7です。
また、$x,y$が1個ずつ、計2個かけられていて、項は$7xy$の1個だけなので、
単項式$7xy$の次数は2です。
また、多項式$2a^3-3a^2+a+4$では、
項$2a^3$の係数は2, 項$-3a^2$の係数は-3,
項$a$の係数は1 ($a=1\times a$), 項$4$の係数は4 (文字はかかってなくて数だけ)
です。次に、
項$2a^3$にかかっている文字は3個, 項$-3a^2$にかかっている文字は2個,
項$a$にかかっている文字は1個, 項$4$にかかっている文字は0個
であり、3,2,1,0のうち一番大きいのは3だから、
多項式$2a^3-3a^2+a+4$は3次式です。
このようにみると、
多項式の次数は、各項の次数を見て、それらのうち最大のもの
として求めることができるということがわかります。
注 $0$という式も単項式ですが、その次数はここでは考えないものとします。
(0の次数を$-\infty$とする流派もあります)
ここまでお分かりになられたでしょうか?
では今日最後の練習問題です。答えは記事の一番下です。
よく学習して、全問正解を目指してください。
練習問題
Q3.次の式において、各項の係数を求めよ。
(1) $5x^{2}y$ (2) $3x-y$ (3) $\dfrac{1}{2}ab^2+a-3$
Q4.次の式の次数を求めよ。
(1) $-6x$ (2) $3a^2-4a+5$ (3) $2x^2+xy-2y^3$
Q3.次の式において、各項の係数を求めよ。
(1) $5x^{2}y$ (2) $3x-y$ (3) $\dfrac{1}{2}ab^2+a-3$
Q4.次の式の次数を求めよ。
(1) $-6x$ (2) $3a^2-4a+5$ (3) $2x^2+xy-2y^3$
というわけで、式には単項式と多項式と呼ばれる式の種類があり、
それらをまとめて整式というのでした。
しかし、いろいろな整式を扱う時に、
1つの見方ではなく、別の見方が必要なこともあります。
そんなときに、「ある文字に着目して考える」ということが役に立つことがありますが、
そのことについてはまた次回できたらなと思います。
今回の記事で、わからないこと、
また記事や内容に関するご意見がありましたら、
お気軽にコメントしてください。
ということで、今回はここまで。
お読みいただきありがとうございました。
ではまた!
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今回の練習問題の答え
Q1. 単項式は②,⑤ 多項式は①,③ 整式は①,②,③,⑤
Q2. (1) $-6x$のみ (2) $3a^2,\quad -4a,\quad 5$, 定数項は5 (3) $2x^2,\quad xy,\quad -2y^3$
Q3. (1) $5x^{2}y$の係数が5 (2) $3x$の係数が3, $-y$の係数が-1
(3) $\dfrac{1}{2}ab^2$の係数が$\dfrac{1}{2}$, $a$の係数が1, $-3$の係数が-3
Q4. (1) 1 (2) 2 (3) 3
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