2023年2月7日

【第5回垂れ流し数学模試】理型第6問・文型第5問解説

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回は 第5回垂れ流し数学模試 の 理型第6問・文型第5問 を解説しようと思います。

理型 第6問・文型 第5問

問題

2つの空箱X, Y, Zがあり,
Xには赤玉3個と白玉2個を, Yには赤玉2個と白玉3個を, それぞれ入れる.

箱X, Yのそれぞれから無作為に玉を2個ずつ取り出して箱Zに入れた後,
さらに箱Zから無作為に2個の玉を取り出す.

  1. 箱Zから取り出した2個の玉のうち, 1個は赤玉で1個は白玉である確率を求めよ.
  2. 箱Zから赤玉を2個取り出したとするとき, それらのうち1個はXに入っていた赤玉で,
    もう1個はYに入っていた赤玉であった条件付き確率を求めよ.

確率の問題でした.
(2)は久しぶりに条件付き確率を出題しました.

解答のために考えること

Zに入る赤玉の個数と確率を整理しながら解きましょう.

(2)については, 条件付き確率の分母となる「箱Zから赤玉を2個取り出す確率」と
分子になる「取り出した2個の赤玉のうち一方がXに入っていて,
もう一方が白玉に入っていた確率」を求めることになります.

この分子のほうを詳しく言えば, 「X, Yそれぞれから赤玉を取り出してZにいれ,
かつそれぞれの箱から出した赤玉からそれぞれ1個ずつZから取り出す確率」ですから,
X, Yそれぞれから取り出す赤玉の個数によって分けて考えてみましょう.

解答

まず, X, Yそれぞれから取り出してZに入れる2個の玉の中の,
赤玉・白玉の個数とその個数になる確率を求める.

$m=0,1,2$のとき,

  • Xから赤玉を$m$個, 白玉を$2-m$個取り出してZに入れる確率は, $\dfrac{\Comb{3}{m}\cdot\Comb{2}{2-m}}{\Comb{5}{3}}$
  • Yから赤玉を$m$個, 白玉を$2-m$個取り出してZに入れる確率は, $\dfrac{\Comb{2}{m}\cdot\Comb{3}{2-m}}{\Comb{5}{3}}$
である.
各$m$についてこれを計算することで, X, Yそれぞれで取り出す赤玉・白玉の個数と確率は, 下の表のとおりになる.

X Y
赤2・白0 $\dfrac{3}{10}$ $\dfrac{1}{10}$
赤1・白1 $\dfrac{6}{10}$ $\dfrac{6}{10}$
赤0・白2 $\dfrac{1}{10}$ $\dfrac{3}{10}$

以下, Xから取り出す赤玉の個数を$x$個, Yから取り出す赤玉の個数を$y$個とする.

  1. Zに入る赤玉の個数により場合分けする.
    Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出すのは, Zに赤玉が1個以上3個以下入る場合のみである.

    1. Zに赤玉が3個だけ入る場合
      $(x, y)=(2, 1), (1, 2)$の場合で, その確率は$\dfrac{3}{10}\cdot\dfrac{6}{10}+\dfrac{6}{10}\cdot\dfrac{1}{10}=\dfrac{24}{100}$
      このとき, Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出す確率は$\dfrac{3\cdot 1}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{3}{6}$
    2. Zに赤玉が2個だけ入る場合
      $(x, y)=(2, 0), (1, 1), (0, 2)$の場合で, その確率は$\dfrac{3}{10}\cdot\dfrac{3}{10}+\dfrac{6}{10}\cdot\dfrac{6}{10}+\dfrac{1}{10}\cdot\dfrac{1}{10}=\dfrac{46}{100}$
      このとき, Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出す確率は$\dfrac{2\cdot 2}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{4}{6}$
    3. Zに赤玉が1個だけ入る場合
      $(x, y)=(1, 0), (0, 1)$の場合で, その確率は$\dfrac{6}{10}\cdot\dfrac{3}{10}+\dfrac{1}{10}\cdot\dfrac{6}{10}=\dfrac{24}{100}$
      このとき, Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出す確率は$\dfrac{1\cdot 3}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{3}{6}$

    これら(i), (ii), (iii)は互いに排反なので, Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出す確率は, \[\dfrac{24}{100}\cdot{3}{6}+\dfrac{46}{100}\cdot{4}{6}+\dfrac{24}{100}\cdot{3}{6}=\dfrac{328}{600}=\bold{\dfrac{41}{75}}\]

  2. まず, (1)と同様の要領で, Zから赤玉を2個取り出す確率を求める.
    Zから赤玉を2個取り出すのは, Zに赤玉が2個以上入る場合のみである.
    1. Zに赤玉が4個だけ入る場合
      $(x, y)=(2, 2)$の場合のみで, その確率は$\dfrac{3}{10}\cdot\dfrac{1}{10}=\dfrac{3}{100}$
      このときは, 常にZから赤玉を2個取り出す.
    2. Zに赤玉が3個だけ入る場合
      (1)(i)よりその確率は$\dfrac{24}{100}$
      このとき, Zから赤玉を2個取り出す確率は$\dfrac{\Comb{3}{2}}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{3}{6}$
    3. Zに赤玉が2個だけ入る場合
      (1)(i)よりその確率は$\dfrac{46}{100}$
      このとき, Zから赤玉を2個取り出す確率は$\dfrac{\Comb{2}{2}}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{1}{6}$

    以上より, Zから赤玉を2個取り出す確率は, \[\dfrac{3}{100}+\dfrac{24}{100}\cdot\dfrac{3}{6}+\dfrac{46}{100}\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{136}{600}\]

    次に,
    「Zから, Xから取り出してZに入れた赤玉のうち1個と,
    Yから取り出してZに入れた赤玉のうち1個を取り出す」
    という事象を$A$と呼ぶことにし, $A$の起こる確率を求める.
    これが起こりうるのは, $(x, y)=(2, 2), (1, 2), (2, 1), (1, 1)$の場合のみである.

    • $(x, y)=(2,2)$の場合, この場合が起こる確率は$\dfrac{3}{10}\cdot \dfrac{1}{10}=\dfrac{3}{100}$
      この場合に$A$が起こる確率は, $\dfrac{2\cdot 2}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{4}{6}$
    • $(x, y)=(1,2)$の場合, この場合が起こる確率は$\dfrac{6}{10}\cdot \dfrac{1}{10}=\dfrac{6}{100}$
      この場合に$A$が起こる確率は, $\dfrac{1\cdot 2}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{2}{6}$
    • $(x, y)=(2,1)$の場合, この場合が起こる確率は$\dfrac{3}{10}\cdot \dfrac{6}{10}=\dfrac{18}{100}$
      この場合に$A$が起こる確率は, $\dfrac{2\cdot 1}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{2}{6}$
    • $(x, y)=(1,1)$の場合, この場合が起こる確率は$\dfrac{6}{10}\cdot \dfrac{6}{10}=\dfrac{36}{100}$
      この場合に$A$が起こる確率は, $\dfrac{1\cdot 1}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{1}{6}$

    以上4つはすべて排反だから, $A$が起こる確率は, \[\dfrac{3}{100}\cdot \dfrac{4}{6}+\dfrac{6}{100}\cdot \dfrac{2}{6}+\dfrac{18}{100}\cdot \dfrac{2}{6}+\dfrac{36}{100}\cdot \dfrac{1}{6}=\dfrac{96}{600}\]

    よって, 求める条件付き確率は, $\dfrac{\frac{96}{600}}{\frac{136}{600}}=\bold{\dfrac{12}{17}}$

ということで, 今年の垂れ流し数学模試の解説は今回で以上となりました.

これから受験本番を迎える人は, 最後まで気を抜かずに自分のやれることをやり,
ぜひ万全の準備の下, 本番に臨んでいだきたいです.

受験生の皆さんには今まで培ってきた力を存分に発揮し,
志望校に無事に合格することを願っております.

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた。

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