2023年2月7日

【第5回垂れ流し数学模試】理型第6問・文型第5問解説

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回は 第5回垂れ流し数学模試 の 理型第6問・文型第5問 を解説しようと思います。

理型 第6問・文型 第5問

問題

2つの空箱X, Y, Zがあり,
Xには赤玉3個と白玉2個を, Yには赤玉2個と白玉3個を, それぞれ入れる.

箱X, Yのそれぞれから無作為に玉を2個ずつ取り出して箱Zに入れた後,
さらに箱Zから無作為に2個の玉を取り出す.

  1. 箱Zから取り出した2個の玉のうち, 1個は赤玉で1個は白玉である確率を求めよ.
  2. 箱Zから赤玉を2個取り出したとするとき, それらのうち1個はXに入っていた赤玉で,
    もう1個はYに入っていた赤玉であった条件付き確率を求めよ.

確率の問題でした.
(2)は久しぶりに条件付き確率を出題しました.

解答のために考えること

Zに入る赤玉の個数と確率を整理しながら解きましょう.

(2)については, 条件付き確率の分母となる「箱Zから赤玉を2個取り出す確率」と
分子になる「取り出した2個の赤玉のうち一方がXに入っていて,
もう一方が白玉に入っていた確率」を求めることになります.

この分子のほうを詳しく言えば, 「X, Yそれぞれから赤玉を取り出してZにいれ,
かつそれぞれの箱から出した赤玉からそれぞれ1個ずつZから取り出す確率」ですから,
X, Yそれぞれから取り出す赤玉の個数によって分けて考えてみましょう.

解答

まず, X, Yそれぞれから取り出してZに入れる2個の玉の中の,
赤玉・白玉の個数とその個数になる確率を求める.

$m=0,1,2$のとき,

  • Xから赤玉を$m$個, 白玉を$2-m$個取り出してZに入れる確率は, $\dfrac{\Comb{3}{m}\cdot\Comb{2}{2-m}}{\Comb{5}{3}}$
  • Yから赤玉を$m$個, 白玉を$2-m$個取り出してZに入れる確率は, $\dfrac{\Comb{2}{m}\cdot\Comb{3}{2-m}}{\Comb{5}{3}}$
である.
各$m$についてこれを計算することで, X, Yそれぞれで取り出す赤玉・白玉の個数と確率は, 下の表のとおりになる.

X Y
赤2・白0 $\dfrac{3}{10}$ $\dfrac{1}{10}$
赤1・白1 $\dfrac{6}{10}$ $\dfrac{6}{10}$
赤0・白2 $\dfrac{1}{10}$ $\dfrac{3}{10}$

以下, Xから取り出す赤玉の個数を$x$個, Yから取り出す赤玉の個数を$y$個とする.

  1. Zに入る赤玉の個数により場合分けする.
    Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出すのは, Zに赤玉が1個以上3個以下入る場合のみである.

    1. Zに赤玉が3個だけ入る場合
      $(x, y)=(2, 1), (1, 2)$の場合で, その確率は$\dfrac{3}{10}\cdot\dfrac{6}{10}+\dfrac{6}{10}\cdot\dfrac{1}{10}=\dfrac{24}{100}$
      このとき, Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出す確率は$\dfrac{3\cdot 1}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{3}{6}$
    2. Zに赤玉が2個だけ入る場合
      $(x, y)=(2, 0), (1, 1), (0, 2)$の場合で, その確率は$\dfrac{3}{10}\cdot\dfrac{3}{10}+\dfrac{6}{10}\cdot\dfrac{6}{10}+\dfrac{1}{10}\cdot\dfrac{1}{10}=\dfrac{46}{100}$
      このとき, Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出す確率は$\dfrac{2\cdot 2}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{4}{6}$
    3. Zに赤玉が1個だけ入る場合
      $(x, y)=(1, 0), (0, 1)$の場合で, その確率は$\dfrac{6}{10}\cdot\dfrac{3}{10}+\dfrac{1}{10}\cdot\dfrac{6}{10}=\dfrac{24}{100}$
      このとき, Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出す確率は$\dfrac{1\cdot 3}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{3}{6}$

    これら(i), (ii), (iii)は互いに排反なので, Zから赤玉と白玉を1個ずつ取り出す確率は, \[\dfrac{24}{100}\cdot{3}{6}+\dfrac{46}{100}\cdot{4}{6}+\dfrac{24}{100}\cdot{3}{6}=\dfrac{328}{600}=\bold{\dfrac{41}{75}}\]

  2. まず, (1)と同様の要領で, Zから赤玉を2個取り出す確率を求める.
    Zから赤玉を2個取り出すのは, Zに赤玉が2個以上入る場合のみである.
    1. Zに赤玉が4個だけ入る場合
      $(x, y)=(2, 2)$の場合のみで, その確率は$\dfrac{3}{10}\cdot\dfrac{1}{10}=\dfrac{3}{100}$
      このときは, 常にZから赤玉を2個取り出す.
    2. Zに赤玉が3個だけ入る場合
      (1)(i)よりその確率は$\dfrac{24}{100}$
      このとき, Zから赤玉を2個取り出す確率は$\dfrac{\Comb{3}{2}}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{3}{6}$
    3. Zに赤玉が2個だけ入る場合
      (1)(i)よりその確率は$\dfrac{46}{100}$
      このとき, Zから赤玉を2個取り出す確率は$\dfrac{\Comb{2}{2}}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{1}{6}$

    以上より, Zから赤玉を2個取り出す確率は, \[\dfrac{3}{100}+\dfrac{24}{100}\cdot\dfrac{3}{6}+\dfrac{46}{100}\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{136}{600}\]

    次に,
    「Zから, Xから取り出してZに入れた赤玉のうち1個と,
    Yから取り出してZに入れた赤玉のうち1個を取り出す」
    という事象を$A$と呼ぶことにし, $A$の起こる確率を求める.
    これが起こりうるのは, $(x, y)=(2, 2), (1, 2), (2, 1), (1, 1)$の場合のみである.

    • $(x, y)=(2,2)$の場合, この場合が起こる確率は$\dfrac{3}{10}\cdot \dfrac{1}{10}=\dfrac{3}{100}$
      この場合に$A$が起こる確率は, $\dfrac{2\cdot 2}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{4}{6}$
    • $(x, y)=(1,2)$の場合, この場合が起こる確率は$\dfrac{6}{10}\cdot \dfrac{1}{10}=\dfrac{6}{100}$
      この場合に$A$が起こる確率は, $\dfrac{1\cdot 2}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{2}{6}$
    • $(x, y)=(2,1)$の場合, この場合が起こる確率は$\dfrac{3}{10}\cdot \dfrac{6}{10}=\dfrac{18}{100}$
      この場合に$A$が起こる確率は, $\dfrac{2\cdot 1}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{2}{6}$
    • $(x, y)=(1,1)$の場合, この場合が起こる確率は$\dfrac{6}{10}\cdot \dfrac{6}{10}=\dfrac{36}{100}$
      この場合に$A$が起こる確率は, $\dfrac{1\cdot 1}{\Comb{4}{2}}=\dfrac{1}{6}$

    以上4つはすべて排反だから, $A$が起こる確率は, \[\dfrac{3}{100}\cdot \dfrac{4}{6}+\dfrac{6}{100}\cdot \dfrac{2}{6}+\dfrac{18}{100}\cdot \dfrac{2}{6}+\dfrac{36}{100}\cdot \dfrac{1}{6}=\dfrac{96}{600}\]

    よって, 求める条件付き確率は, $\dfrac{\frac{96}{600}}{\frac{136}{600}}=\bold{\dfrac{12}{17}}$

ということで, 今年の垂れ流し数学模試の解説は今回で以上となりました.

これから受験本番を迎える人は, 最後まで気を抜かずに自分のやれることをやり,
ぜひ万全の準備の下, 本番に臨んでいだきたいです.

受験生の皆さんには今まで培ってきた力を存分に発揮し,
志望校に無事に合格することを願っております.

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた。

2023年2月6日

【第5回垂れ流し数学模試】理型第5問解説

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回は 第5回垂れ流し数学模試 の 理型第5問 を解説しようと思います。

理型 第5問

問題

底面円の半径が1, 高さが4の直円柱Aについて, 2つの底面円の中心をそれぞれ$\rm O$, $\rm O'$とし, 底面円Oの周上に点Pをとる.
また, 線分$\rm OO'$の中点をMとする.

直円柱Aを直線PMを軸として回転させるとき, 直円柱Aの表面が通過する領域の体積を求めよ.

解答のために考えること

直線PMを軸にして回転させたときの体積なので,
できる立体を軸に垂直に切った時の断面積を積分していきます.
断面積は同心円となりますので, 回転前の直円錐Aの表面の, 同じ平面による断面(曲線になるはず)上の点Qと
直線PMとの距離のとりうる範囲を考えれば, 断面積が分かります.

場合分けが3つに分かれ, 計算が面倒ですが, 根気良く進めていきましょう.

解答

Aの表面が回転によって通過する領域を$D$,
$D$のうち, Mを通りPMに垂直な平面に関して, その平面を含みPと同じ側にある領域を$D_1$,
$D$, $D_1$の体積をそれぞれ$V$, $V_1$とする.

直円柱AがMに関して点対称であることより, $D$もMに関して点対称である.
したがって$V=2V_1$であるので, 以下で$V_1$を求める.

線分PM上に点Tをとり, ${\rm PT}=t$とおく.
Tを通り線分PMに垂直な平面$\alpha_t$と直円柱Aの表面が交わってできる曲線を$C_t$とする.
$D_1$の$\alpha_t$による断面は, $\alpha_t$上で$C_t$をTを中心に回転させたときの$C_t$の通過領域であり,
それはTを中心とする円もしくは同心円状となる. その面積を$S(t)$とおく.

  1. $\alpha_t$が底面円Oと交わる場合

    $C_t$は左上の図のように, 直線部分と(直線でない)曲線部分からなる.
    ただし図の点R, Qはそれぞれ$C_t$の直線部分, 曲線部分と平面OPMとの交点である.

    直円柱Aの平面OPMによる断面は右上の図のような長方形PBCDであり,
    $\rm \triangle QTP∽\triangle PTR∽\triangle QPR∽\triangle PBC$,
    $\rm PB=2$, $\rm BC=4$, $\rm PC=\sqrt{2^2+4^2}=2\sqrt{5}$であることから,
    ${\rm TQ}=\dfrac{t}{2}$, ${\rm TR}=2t$, ${\rm QP}=\dfrac{\sqrt{5}}{2}t$, ${\rm PR}=\sqrt{5}t$である.
    $0\leqq {\rm PQ}\leqq 2$だから, $\alpha_t$が底面円Oと交わるのは$0\leqq t\leqq \dfrac{2}{\sqrt{5}}$ (…①)のときである.

    Kが$C_t$の曲線部分上にある場合, KからQRに下した垂線の足をH,
    線分QHの長さを$x$とおき, ${\rm KT}^2$を$t$および$x$で表す.

    底面円O上で, 点I, Jを, $\rm IK\jpara JH\jpara PQ$となるようにとると, Jは直線OPにあり,
    PQが底面円Oを含む平面に垂直だから, 四角形IKHJは長方形となる.
    ${\rm QH}:{\rm QR}={\rm PJ}:{\rm PR}$より$x:\dfrac{5}{2}t={\rm PJ}:\sqrt{5}t$, よって${\rm PJ}=\dfrac{2}{\sqrt{5}}x$である.
    よって${\rm OJ}=\left|\dfrac{2}{\sqrt{5}}x-1\right|$,
    ${\rm IJ}^2={\rm KH}^2=1^2-\left|\dfrac{2}{\sqrt{5}}x-1\right|^2=-\dfrac{4}{5}x^2+\dfrac{4}{\sqrt{5}}x$である.

    さらに, ${\rm HT}=\left|x-\dfrac{t}{2}\right|$だから, \[ \begin{aligned} {\rm KT}^2&=-\dfrac{4}{5}x^2+\dfrac{4}{\sqrt{5}}x+\left|x-\dfrac{t}{2}\right|^2\\ &=\dfrac{1}{5}x^2+\left(\dfrac{4}{\sqrt{5}}-t\right)x+\dfrac{t^2}{4}\\ &=\dfrac{1}{5}\left(x+2\sqrt{5}-\dfrac{5}{2}t\right)^2-\dfrac{1}{5}\left(2\sqrt{5}-\dfrac{5}{2}t\right)^2+\dfrac{t^2}{4}\\ &=\dfrac{1}{5}\left(x+2\sqrt{5}-\dfrac{5}{2}t\right)^2-{t^2}+2\sqrt{5}t-4 \end{aligned} \] よって①によって, Kが$C_t$の曲線部分にいる場合, つまり$0\leqq x\leqq \dfrac{5}{2}t$の場合,

    • ${\rm KT}^2$の最大は, $x=\dfrac{5}{2}t$のときに,
      $\dfrac{1}{5}\left(\dfrac{5}{2}t\right)^2+\left(\dfrac{4}{\sqrt{5}}-t\right)\cdot \dfrac{5}{2}t+\dfrac{t^2}{4}=-t^2+2\sqrt{5}t$
    • ${\rm KT}^2$の最小は, $x=0$のときに, $\dfrac{t^2}{4}$
    となり, これらの間の実数値をくまなくとる.

    Kが$C_t$の直線部分にいる場合は,
    ${\rm KT}^2$の最大は, $C_t$の曲線部分に$K$がいる場合で$x=\dfrac{5}{2}t$の場合に相当,
    また最小の場合はKがRにいるときだが, ${\rm TR}\gt{\rm TQ}$である.
    以上より, Kが$C_t$全体を動くときの${\rm KT}^2$最大・最小は,
    それぞれKが$C_t$の曲線部分にいる場合の最大・最小に一致する.

    したがって, $0\leqq t\leqq \dfrac{2}{\sqrt{5}}$の場合の$S(t)$は, \[S(t)=-t^2+2\sqrt{5}t-\dfrac{t^2}{4}=-\dfrac{5}{4}t^2+2\sqrt{5}t \] となる.

  2. $\alpha_t$が底面円Oと交わらない場合

    ${\rm PM}=\sqrt{5}$より$\dfrac{2}{\sqrt{5}}\leqq t\leqq \sqrt{5}$ (…②)である.

    この場合, 右の図のように$C_t$は1つの(直線部分のない)曲線でできているが,
    $C_t$は$t=\dfrac{2}{\sqrt{5}}$の時にできる曲線$C_{\frac{2}{\sqrt{5}}}$と合同である.
    よって${\rm QR}=\dfrac{5}{2}\cdot \dfrac{2}{\sqrt{5}}=\sqrt{5}$である.

    Kが$C_t$上にある場合, (i)と同様にKからQRへおろした垂線の足をH,
    ${\rm QT}=x$とおくとき,
    (i)の結果から, ${\rm KH}^2=-\dfrac{4}{5}x^2+\dfrac{4}{\sqrt{5}}x$, ${\rm HT}=\left|x-\dfrac{t}{2}\right|$は変わらないので,
    ${\rm KH}^2=\dfrac{1}{5}x^2+\left(\dfrac{4}{\sqrt{5}}-t\right)x+\dfrac{t^2}{4}=\dfrac{1}{5}\left(x+\dfrac{2}{\sqrt{5}}-\dfrac{t}{2}\right)^2-{t^2}+2\sqrt{5}t-4$
    も変わらない.

    したがって, $0\leqq x\leqq \sqrt{5}$と②から, Kが$C_t$上にある場合について,

    • ${\rm KT}^2$の最大は, $-\dfrac{2}{\sqrt{5}}+\dfrac{t}{2}\lt\dfrac{\sqrt{5}}{2}$を満たすことから,
      $x=\sqrt{5}$のときに, $\dfrac{1}{5}\cdot (\sqrt{5})^2+\left(\dfrac{4}{\sqrt{5}}-t\right)\cdot \sqrt{5}+\dfrac{t^2}{4}=\dfrac{t^2}{4}-\sqrt{5}t+5$
    • ${\rm KT}^2$の最小は,
      $-\dfrac{2}{\sqrt{5}}+\dfrac{t}{2}\leqq 0$すなわち$\dfrac{2}{\sqrt{5}}\leqq t\leqq \dfrac{4}{\sqrt{5}}$の場合には, $x=0$のとき, $\dfrac{t^2}{4}$
      $\dfrac{4}{\sqrt{5}}\leqq t\leqq \sqrt{5}$の場合には, $x=-\dfrac{2}{\sqrt{5}}+\dfrac{t}{2}$のとき, $-{t^2}+2\sqrt{5}t-4$

    となり, いずれの場合も最大値と最小値の間の実数値をくまなくとる.

    よって, $S(t)$は, \[ \begin{array}{ll} \dfrac{2}{\sqrt{5}}\leqq t\leqq \dfrac{4}{\sqrt{5}}のときは, & S(t)=\dfrac{t^2}{4}-\sqrt{5}t+5-\dfrac{t^2}{4}=-\sqrt{5}t+5 \\ \dfrac{4}{\sqrt{5}}\leqq t\leqq \sqrt{5}のときは, & \begin{aligned}[t]S(t)&=\dfrac{t^2}{4}-\sqrt{5}t+5-\left(-{t^2}+2\sqrt{5}t-4\right)\\&=\dfrac{5}{4}t^2-3\sqrt{5}t+9=\left(\dfrac{\sqrt{5}}{2}t-3\right)^2\end{aligned} \end{array} \]

以上(i), (ii)より, \[ \begin{aligned} V_1&=\dint_{0}^{\sqrt{5}}S(t) dt\\ &=\dint_{0}^{\frac{2}{\sqrt{5}}}\left(-\dfrac{5}{4}t^2+2\sqrt{5}t\right) dt + \dint_{\frac{2}{\sqrt{5}}}^{\frac{4}{\sqrt{5}}}\left(-\sqrt{5}t+5\right) dt + \dint_{\frac{4}{\sqrt{5}}}^{\sqrt{5}}\left(\dfrac{\sqrt{5}}{2}t-3\right)^2 dt\\ &=-\dfrac{5}{12}\left[t^3\right]_{0}^{\frac{2}{\sqrt{5}}}+\sqrt{5}\left[t^2\right]_{0}^{\frac{2}{\sqrt{5}}} -\dfrac{\sqrt{5}}{2}\left[t^2\right]_{\frac{2}{\sqrt{5}}}^{\frac{4}{\sqrt{5}}}+5\left[t\right]_{\frac{2}{\sqrt{5}}}^{\frac{4}{\sqrt{5}}} +\dfrac{2}{3\sqrt{5}}\left[\left(\dfrac{\sqrt{5}}{2}t-3\right)^3\right]_{\frac{4}{\sqrt{5}}}^{\sqrt{5}}\\ &=-\dfrac{2\sqrt{5}}{15}+\dfrac{4\sqrt{5}}{5}-\dfrac{6\sqrt{5}}{5}+2\sqrt{5}+\dfrac{7\sqrt{5}}{60}\\ &=\dfrac{19\sqrt{5}}{12} \end{aligned} \]

よって, $V=2V_1=\bold{\dfrac{19\sqrt{5}}{6}}$

ちなみに、今回できる立体は, 左下の図のような形で,
外側の青い曲面で囲まれた立体から, 内側の黄色い局面をとり除いた形になります。
もとの円柱Aを合わせると、ちょうどAの底面や側面にピッタリ合っていることがわかると思います。

次回はラスト、理型第6問・文型第5問解説です。

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた。

2023年2月5日

【第5回垂れ流し数学模試】文型第4問解説

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回は 第5回垂れ流し数学模試 の 文型第4問 を解説しようと思います。

この問題の(1), (2)で、$a$の範囲に誤りがありました。
(誤) (1) $0\lt a\leqq 1$のとき,... (2) $1\lt a$のとき,...
(正) (1) $0\lt a\leqq \dfrac{1}{2}$のとき,... (2) $\dfrac{1}{2}\lt a$のとき,...
以下は問題を修正した場合の解答になります。

文型 第4問

問題

$a$を正の定数とする.
$xy$座標平面上で, 曲線$y=x^2$の$-a\leqq x\leqq a$の部分を$C$とする.
1辺の長さが$1$の正方形$K$が$xy$座標平面上を, $K$のある1辺が$x$軸に平行になるように,
かつ$K$の2本の対角線の交点が$C$上にあるように動く.
正方形$K$の周および内部が通過しうる領域の面積を$S(a)$とする.

  1. $0\lt a\leqq \dfrac{1}{2}$のとき, $S(a)$を$a$で表せ.
  2. $\dfrac{1}{2}\lt a$のとき, $S(a)$を$a$で表せ.

解答のために考えること

積分を用いて面積を求めますが, $K$の通過する範囲を正しく図示する必要があります.
ただし動く範囲は, $K$の各頂点が$C$を平行移動した放物線上を動くことに気を付けると,
込み入った議論をせずに図がかけます.
(もちろん, 以下ではちゃんと議論をして通過領域を求めます.)

積分は放物線のほか, 何本かの直線に囲まれていますので,
工夫して求めていきましょう.

解答

まず, 点$(X, Y)$が$K$の通過領域上に存在するための必要十分条件は,

ある$-a\leqq t\leqq a$が存在して, $t-\dfrac{1}{2}\leqq X\leqq t+\dfrac{1}{2}$かつ$t^2-\dfrac{1}{2}\leqq Y\leqq t^2+\dfrac{1}{2}$

である.

ここで, $t-\dfrac{1}{2}\leqq X\leqq t+\dfrac{1}{2}$は$X-\dfrac{1}{2}\leqq t\leqq X+\dfrac{1}{2}$であるので,
これを満たす$X$に対し, $X-\dfrac{1}{2}$, $X+\dfrac{1}{2}$および$0$との大小によって, $Y$の範囲は以下のようになる.

  1. $X+\dfrac{1}{2}\lt 0$すなわち$X\lt -\dfrac{1}{2}$のとき,
    $\left(X+\dfrac{1}{2}\right)^2-\dfrac{1}{2}\leqq Y\leqq \left(X-\dfrac{1}{2}\right)^2+\dfrac{1}{2}$
  2. $X-\dfrac{1}{2}\lt -\dfrac{1}{2}\lt 0\leqq X+\dfrac{1}{2}$すなわち$-\dfrac{1}{2}\leqq X\lt 0$のとき,
    $-\dfrac{1}{2}\leqq Y\leqq \left(X-\dfrac{1}{2}\right)^2+\dfrac{1}{2}$
  3. $-\dfrac{1}{2}\leqq X-\dfrac{1}{2}\lt 0\leqq X+\dfrac{1}{2}$すなわち$0\leqq X\lt \dfrac{1}{2}$のとき,
    $-\dfrac{1}{2}\leqq Y\leqq \left(X+\dfrac{1}{2}\right)^2+\dfrac{1}{2}$
  4. $0\leqq X-\dfrac{1}{2}$すなわち$\dfrac{1}{2}\leqq X$のとき,
    $\left(X-\dfrac{1}{2}\right)^2-\dfrac{1}{2}\leqq Y\leqq \left(X+\dfrac{1}{2}\right)^2+\dfrac{1}{2}$

ただし, $-a\leqq t\leqq a$より,
$-a-\dfrac{1}{2}\leqq X\leqq a+\dfrac{1}{2}$かつ$-\dfrac{1}{2}\leqq Y\leqq a^2+\dfrac{1}{2}$である.

  1. $0\lt a\leqq \dfrac{1}{2}$のとき, $K$の通過領域は上の図のようになる.
    右の図のように, 2つの長方形部分$P_1$, $P_2$と,
    放物線と2本の直線で囲まれた図形$P_3$, $P_4$に分割でき,
    $P_3$, $P_4$は$y$軸に関して対称である.

    $P_1$は縦1, 横$\left(a+\dfrac{1}{2}\right)-\left(-a-\dfrac{1}{2}\right)=2a+1$の長方形で, 面積は$2a+1$
    $P_2$は縦$a^2-\dfrac{1}{2}-\left(-\dfrac{1}{2}\right)=a^2$, 横$\dfrac{1}{2}-\left(-\dfrac{1}{2}\right)=1$の長方形で, 面積は$a^2$
    $P_3$は放物線$y=\left(x-\dfrac{1}{2}\right)^2-\dfrac{1}{2}$と2直線$x=\dfrac{1}{2}$, $y=a^2-\dfrac{1}{2}$によって囲まれた領域で, 面積は
    $\begin{aligned} &\dint_{\frac{1}{2}}^{a+\frac{1}{2}}\left\{a^2-\dfrac{1}{2}-\left(\left(x-\dfrac{1}{2}\right)^2-\dfrac{1}{2}\right)\right\}dx\\ =&\dint_{\frac{1}{2}}^{a+\frac{1}{2}}\left(a^2-\dfrac{1}{4}+x-x^2\right)dx\\ =&\left(a^2-\dfrac{1}{4}\right)[x]_{\frac{1}{2}}^{a+\frac{1}{2}}+\dfrac{1}{2}[x^2]_{\frac{1}{2}}^{a+\frac{1}{2}}-\dfrac{1}{3}[x^3]_{\frac{1}{2}}^{a+\frac{1}{2}}\\ =&\left(a^2-\dfrac{1}{4}\right)a+\dfrac{1}{2}(a^2+a)-\dfrac{1}{3}\left(a^3+\dfrac{3}{2}a^2+\dfrac{3}{4}a\right)\\ =&\dfrac{2}{3}a^3+\dfrac{1}{2} \end{aligned}$

    以上より, $S(a)=2a+1+a^2+2\left(\dfrac{2}{3}a^3+\dfrac{1}{2}a\right)=\bold{\dfrac{4}{3}a^3+a^2+3a+1}$

  2. $\dfrac{1}{2}\lt a$のとき, $K$の通過領域は上の図のようになる.
    この面積は、(1)と同様に求められる部分($P_1$~$P_4$)の面積から,
    放物線と2本の直線に囲まれた合同な領域$P_5$, $P_6$の面積を引いたものに等しい.

    $P_5$は放物線$y=\left(x+\dfrac{1}{2}\right)^2+\dfrac{1}{2}$と直線$y=a^2+\dfrac{1}{2}$および$x$軸によって囲まれた領域で, 面積は,
    $\begin{aligned} &\dint_{0}^{a-\frac{1}{2}}\left\{a^2+\dfrac{1}{2}-\left(\left(x+\dfrac{1}{2}\right)^2+\dfrac{1}{2}\right)\right\}dx\\ =&\dint_{0}^{a-\frac{1}{2}}\left(a^2-\dfrac{1}{4}-x-x^2\right)dx\\ =&\left(a^2-\dfrac{1}{4}\right)[x]_{0}^{a-\frac{1}{2}}-\dfrac{1}{2}[x^2]_{0}^{a-\frac{1}{2}}-\dfrac{1}{3}[x^3]_{0}^{a-\frac{1}{2}}\\ =&\left(a^2-\dfrac{1}{4}\right)\left(a-\frac{1}{2}\right)-\dfrac{1}{2}\left(a-\frac{1}{2}\right)^2-\dfrac{1}{3}\left(a-\frac{1}{2}\right)^3\\ =&\dfrac{2}{3}a^3-\dfrac{1}{2}a^2+\dfrac{1}{24}\\ \end{aligned}$

    以上より, $S(a)=\dfrac{4}{3}a^3+a^2+3a+1-2\left(\dfrac{2}{3}a^3-\dfrac{1}{2}a^2+\dfrac{1}{24}\right)=\bold{2a^2+3a+\dfrac{11}{12}}$

次回は理型第5問解説です。
文型第6問はそのさらに次回(理型第6問と同一)に解説します.

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた。

2023年2月4日

【第5回垂れ流し数学模試】理型第4問解説

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回は 第5回垂れ流し数学模試 の 理型第4問 を解説しようと思います。

理型 第4問

問題

関数$f(x)$は少なくとも$x\gt 0$で微分可能であるとし, $f(x)$に関する次の2つの条件を考える.

条件A : $\dlim_{x\to\infty}f'(x)=0$である.
条件B : ある実数$a$があって, $\dlim_{x\to\infty}f(x)=a$である.

以下の各命題に対し, その真偽を述べよ. また真であれば証明を行い, 偽であれば反例となる$f(x)$を挙げよ.

  1. 条件Aが成り立てば, 条件Bも成り立つ.
  2. 条件Bが成り立てば, 条件Aも成り立つ.

2023年2月3日

【第5回垂れ流し数学模試】理型第3問・文型第3問解説

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回は 第5回垂れ流し数学模試 の 理型第3問・文型第3問 を解説しようと思います。

理型 第3問・文型 第3問

問題

空間上に, $\rm OA=OB=3$, $\rm AB=2$の二等辺三角形OABを側面として互いに共有する
異なる2つの正四角錐$\rm O\text{-}ABCD$, $\rm O\text{-}ABC'D'$がある.

  1. $\vect{\rm OA}=\vect{a}$, $\vect{\rm OB}=\vect{b}$, $\vect{\rm OC}=\vect{c}$とするとき, $\vect{\rm OC'}$を$\vect{a}$, $\vect{b}$, $\vect{c}$を用いて表せ.
  2. 線分OCを$5:2$に内分する点をPとする.
    平面$\rm PAD'$と線分OBとの交点をQとするとき, 線分比$\rm OQ:QB$を求めよ.