皆さんこんにちは!
TomoKです。
第3回垂れ流し数学模試の解説記事、 いよいよ今回はラスト、第6問の解説です。
第6問
問題
互いに異なる複素数\alpha, \beta, \gammaがあり, そのいずれも0とは異なるとする.
複素平面上の4点0, \alpha, \beta, \gammaがある円周C上にあるとする.
(1) 3点\dfrac{1}{\alpha}, \dfrac{1}{\beta}, \dfrac{1}{\gamma}は同一直線上にあることを示せ.
(2) Cの半径をrとするとき, (1)の直線と点0との距離を, rを用いて表せ.
第6問は複素平面に関する問題です。
複素平面は今回が初登場でした。
複素数の計算だけでなく、積・商と拡縮・回転との関係をよく理解したうえで、
平面図形の性質も生かせないか考えるのも大事だと思います。
解答のために考えること
w=\dfrac{1}{\alpha}とおいて、まずwと\deltaがどんな関係を持つのかを導きましょう。
(1)については、複素数の計算のみで示す方法と、座標平面の問題に持ち込んで解く方法を、別解で上げておきます。
(2)では、中心\deltaが固定されると、C上の\alpha, \beta, \gammaの位置にかかわらず
\dfrac{1}{\alpha}, \dfrac{1}{\beta}, \dfrac{1}{\gamma}がの存在する直線が不変であることを利用して求めることができるので、
こちらも別解に挙げておきます。
解答
(1)
Cの中心を表す複素数を\deltaとすると、
Cが4点0, \alpha, \beta, \gammaを通ることより、
|\delta|=|\delta-\alpha|=|\delta-\beta|=|\delta-\gamma|
また、\alpha\neq 0, \beta\neq 0, \gamma\neq 0により、\delta\neq 0である。
w=\dfrac{1}{\alpha}とおくと、|\delta|=\left|\delta-\dfrac{1}{w}\right|より、 |w\delta|=|w\delta-1|
つまり、点w\deltaは2点0, 1を両端とする線分の垂直二等分線l上にある。
w=\dfrac{w\delta}{\delta}である。
よって、lを点w\deltaを点0中心に\dfrac{1}{\delta}倍に拡大(縮小)し、
さらに点0中心に\dfrac{1}{\delta}の偏角だけ回転させた直線をl'とすれば、w=\dfrac{1}{\alpha}はl'上にある。
同様にすれば、\dfrac{1}{\beta}, \dfrac{1}{\gamma}もこの直線l'上にある。
この直線l'は\deltaのみによって決まり、\alpha, \beta, \gammaのC上の位置にはよらない。
以上により、3点\dfrac{1}{\alpha}, \dfrac{1}{\beta}, \dfrac{1}{\gamma}は、同一直線l'上にある。 (終)
(2)
(1)の議論において、lと点0との距離は\dfrac{1}{2}であるから、直線l'と点0との距離は\dfrac{1}{2|\delta|}である。
Cの半径がrであることから|\delta|=rなので、求める距離は、\bold{\dfrac{1}{2r}}
以下、別解です。
別解1は複素数の計算を駆使して示す方法です。
(2)では唐突に2\deltaが出てきますが、\deltaが円の中心であることを踏まえると、
2\deltaと0を両端とする線分は円の直径になり、円上で0との距離が最大になります。
0と(1)の直線との距離とは、直線上の点と0との距離のうち最小のものなので、
\dfrac{1}{2\delta}と0との距離が求める距離になることが予想できます。
ただしこれを言うためには、厳密には(1)の直線の任意の点が、逆数にすることでC上に戻ることを示さないといけません。
実際その通りで、それを示すことはそこまで難しくはないでしょうが、
そこまでしなくても、2点0, \dfrac{1}{2\delta}を通過する直線が(1)の直線に垂直であることを示せば、求めるものに対しては十分です。
別解1
(1)
\dfrac{\frac{1}{\beta}-\frac{1}{\alpha}}{\frac{1}{\gamma}-\frac{1}{\alpha}}が実数であることを示せばよい。
Cの中心を表す複素数を\deltaとすると、
Cが4点0, \alpha, \beta, \gammaを通ることより、
|\delta|=|\delta-\alpha|=|\delta-\beta|=|\delta-\gamma| (\cdots ①)
また、\alpha\neq 0, \beta\neq 0, \gamma\neq 0により、\delta\neq 0である。
①より、\left|\dfrac{\delta}{\alpha}-1\right|=\left|\dfrac{\delta}{\alpha}\right|
よって、 \begin{aligned} \left|\dfrac{\delta}{\alpha}-1\right|^2&=\left|\dfrac{\delta}{\alpha}\right|^2\\ \left(\dfrac{\delta}{\alpha}-1\right)\left(\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\alpha}}-1\right)&=\dfrac{\delta \overline{\delta}}{\alpha \overline{\alpha}}\\ \dfrac{\delta}{\alpha}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\alpha}}&=1 \end{aligned}
同様にして、 \left|\dfrac{\delta}{\beta}-1\right|=\left|\dfrac{\delta}{\beta}\right|より\dfrac{\delta}{\beta}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\beta}}=1, \left|\dfrac{\delta}{\gamma}-1\right|=\left|\dfrac{\delta}{\gamma}\right|より\dfrac{\delta}{\gamma}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\gamma}}=1
よって、 \dfrac{\delta}{\alpha}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\alpha}}=\dfrac{\delta}{\beta}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\beta}}=\dfrac{\delta}{\gamma}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\gamma}}=1
したがって、
\dfrac{\delta}{\beta}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\beta}}=\dfrac{\delta}{\alpha}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\alpha}}より、\left(\dfrac{\delta}{\beta}-\dfrac{\delta}{\alpha}\right)+\left(\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\beta}}-\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\alpha}}\right)=0
\dfrac{\delta}{\gamma}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\gamma}}=\dfrac{\delta}{\alpha}+\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\alpha}}より、\left(\dfrac{\delta}{\gamma}-\dfrac{\delta}{\alpha}\right)+\left(\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\gamma}}-\dfrac{\overline{\delta}}{\overline{\alpha}}\right)=0
よって、ある実数k,lがあって, \dfrac{\delta}{\beta}-\dfrac{\delta}{\alpha}=ki,\quad \dfrac{\delta}{\gamma}-\dfrac{\delta}{\alpha}=li
これより、\dfrac{1}{\beta}-\dfrac{1}{\alpha}=\dfrac{ki}{\delta}, \dfrac{1}{\gamma}-\dfrac{1}{\alpha}=\dfrac{li}{\delta}であるから、 \dfrac{\frac{1}{\beta}-\frac{1}{\alpha}}{\frac{1}{\gamma}-\frac{1}{\alpha}}=\dfrac{\frac{ki}{\delta}}{\frac{li}{\delta}}=\dfrac{k}{l}
(2)
(1)の直線をlとする。
\alpha, \betaを固定して、\gammaをC上の0, \alpha, \beta以外のどの位置においても、
\dfrac{1}{\gamma}は2点\dfrac{1}{\alpha}, \dfrac{1}{\beta}の通過する直線l上にある。
同様に、\alpha, \beta, \gammaのうちどの2つを固定して残りの1つを、固定した2点と0以外のC上のどこにおいても、(1)の直線は不変である。
したがって、(1)の\dfrac{1}{\alpha}, \dfrac{1}{\beta}, \dfrac{1}{\gamma}が存在する直線は、
Cの中心\deltaのみによって決まり、互いに異なる\alpha, \beta, \gammaのC上の0以外の位置にはよらない。
よって、C上の0でない点2\deltaに対し、\dfrac{1}{2\delta}もl上にあり、(1)の実数lについて、 \dfrac{0-\frac{1}{2\delta}}{\frac{1}{\gamma}-\frac{1}{\alpha}}=-\dfrac{1}{2\delta\cdot \frac{li}{\delta}}=\dfrac{i}{l}
Cの半径がrであることから|\delta|=rなので、求める距離は、\bold{\dfrac{1}{2r}}
別解2は、座標平面に置き換えて求める解法です。
別解2
(1)
複素平面の実軸をx軸、虚軸をy軸とするxy平面を考える。
ただし、x軸の正の向きは実軸の正の向き、y軸の正の向きは虚軸の正の向きである。
このとき、p, qを実数として、複素平面上の点p+qiは、xy平面上の点(p,q)に対応する。
さらにp, qの少なくとも一方が0でないとき、
p+qiの逆数\dfrac{1}{p+qi}=\dfrac{p-qi}{p^2+q^2}を表す複素平面上の点はxy平面上の点\left(\dfrac{p}{p^2+q^2}, -\dfrac{q}{p^2+q^2}\right)に対応している。
\alpha=x_\alpha+y_\alpha i, \beta=x_\beta+y_\beta i, \gamma=x_\gamma+y_\gamma iとおく。
ただし、x_\alpha, y_\alpha, x_\beta, y_\beta, x_\gamma, y_\gammaはすべて実数で、
x_\alpha, y_\alphaのいずれか, x_\beta, y_\betaのいずれか, x_\gamma, y_\gammaのいずれかは、それぞれ0でない。
このとき、xy平面上で、\alpha, \beta, \gammaに対応するのは、それぞれ、
{\rm P}(x_\alpha, y_\alpha), {\rm Q}(x_\beta, y_\beta), {\rm R}(x_\gamma, y_\gamma)であり、
さらに\dfrac{1}{\alpha}, \dfrac{1}{\beta}, \dfrac{1}{\gamma}が対応するのは、それぞれ
{\rm P'}\left(\dfrac{x_\alpha}{{x_\alpha}^2+{y_\alpha}^2}, -\dfrac{y_\alpha}{{x_\alpha}^2+{y_\alpha}^2}\right), {\rm Q'}\left(\dfrac{x_\beta}{{x_\beta}^2+{y_\beta}^2}, -\dfrac{y_\beta}{{x_\beta}^2+{y_\beta}^2}\right), {\rm R'}\left(\dfrac{x_\gamma}{{x_\gamma}^2+{y_\gamma}^2}, -\dfrac{y_\gamma}{{x_\gamma}^2+{y_\gamma}^2}\right)である。
さらに、円Cの中心に対応するxy平面の点を{\rm D}(s, t) (s, tは実数)とおくと、s, tのいずれか一方は0ではなく、
円Cは\rm Dを中心として原点{\rm O}(0, 0)を通過する円(x-s)^2+(y-t)^2=s^2+t^2\quad (\cdots ①)に対応する。
以上の設定において、\rm P, \rm Q, \rm Rが円①上の互いに異なる3点であるとき、
\rm P', \rm Q', \rm R'が同一直線状にあることを示せばよい。
①の方程式を変形すると、
x^2-2sx+s^2+y^2-2ty+t^2=s^2+t^2より、x^2+y^2=2(sx+ty)
\rm Pが円①上にあるので、{x_\alpha}^2+{y_\alpha}^2=2(sx_\alpha+ty_\alpha)
よって、\rm P'の座標は\left(\dfrac{x_\alpha}{2(sx_\alpha+ty_\alpha)}, -\dfrac{y_\alpha}{2(sx_\alpha+ty_\alpha)}\right)と書けるが、 2s\cdot \left(\dfrac{x_\alpha}{2(sx_\alpha+ty_\alpha)}\right)-2t\cdot \left(-\dfrac{y_\alpha}{2(sx_\alpha+ty_\alpha)}\right)=\dfrac{2sx_\alpha+2ty_\alpha}{2(sx_\alpha+ty_\alpha)}=1
\rm Q, \rm RもC上にあるから、上と同様にすることで、\rm Q', \rm R'も直線2sx-2ty=1上にあることがわかる。
以上より、\rm P', \rm Q', \rm R'はすべて直線2sx-2ty=1上にあるから、複素平面の\dfrac{1}{\alpha}, \dfrac{1}{\beta}, \dfrac{1}{\gamma}も同一直線上にある。(終)
(2)
(1)で、Cの半径がr (> 0)のとき、s^2+t^2=r^2より\sqrt{s^2+t^2}=rである。
求める距離は、xy平面上でのOと直線2sx-2ty=1\ \Leftrightarrow\ 2sx-2ty-1=0との距離に等しく、その距離は、 \dfrac{|2s\cdot0-2t\cdot 0-1|}{\sqrt{(2s)^2+(-2t)^2}}=\dfrac{1}{2\sqrt{s^2+t^2}}=\bold{\dfrac{1}{2r}}
ということで、第3回垂れ流し模試の解説は今回でラストになりました。
入試が近い時期で、まあ今年は例年とは事情が違う中で緊張されているかもしれません。
それでも、今まで勉強してきたこと、それから残り本番までの間にやったことがすべてになります。
足りないと思うところがあれば、本番までにできる限り復習しておき、万全に近い形で臨んでくれたらと思います。
是非栄冠を自分のその手でつかみ取ってくださいね!!
それでは今回はここまでです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ではまた!
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