TomoKです。
また1週間空いてしまいました。。。
図があると遅くなってしまいますね…
図形の単元に入ったら大変そうです…
今日は「ド・モルガンの法則」という重要な定理を扱います。
(すみません、前回予告で「ド・モルガンの定理」と言ってましたね…)
ド・モルガンの法則
全体集合Uの部分集合A,Bについて、次が成り立つ。
(1) \overline{A\orange{\cap}B}=\overline{A}\green{\cup}\overline{B}
(2) \overline{A\green{\cup}B}=\overline{A}\orange{\cap}\overline{B}
全体集合Uの部分集合A,Bについて、次が成り立つ。
(1) \overline{A\orange{\cap}B}=\overline{A}\green{\cup}\overline{B}
(2) \overline{A\green{\cup}B}=\overline{A}\orange{\cap}\overline{B}
「補集合(の記号)を分配すると、\orange{\cap}と\green{\cup}が入れ替わる」というのが、
この法則の言っていることです。
これはベン図で考えると直感的にわかります。
(1)のほうですが、
\overline{A\cap B}がA\cap Bの補集合で、
下の左の薄赤部分ですね。
一方、\overline{A}\cup \overline{B}は
\overline{A}と\overline{B}の和集合です。
下の右の図で、青斜線が\overline{A}, 緑斜線が\overline{B}で、
その一方でも入っていれば\overline{A}\cup \overline{B}に含まれますから、
確かに\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup \overline{B}がわかりますね。
\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup \overline{B} 右の図の青斜線部は\overline{A}, 緑斜線部は\overline{B} |
同じようにして、(2)もベン図を使って理解できます。
さて、今の法則に関係する論理の話を少し。
次の、「xさん」に関する文章pを考えましょう。
p : xさんは携帯電話を持っていて、\orange{かつ}パソコンを持っている
pが正しいかどうかは、「xさん」がだれなのかによって決まります。(つまり、pは「xさんに関する条件」といえます。)
さて、この条件pに対し、意味としてその反対の条件である、
「pでない」という条件を考えます。
集合Pに対し、Pの要素でないものの集まりを\overline{P}と書いたように、
条件pに対し、「pでない」という条件を\overline{p}で表します。
(条件pの否定、と呼びます。)
\overline{p} : 「xさんは携帯電話を持っていて、\orange{かつ}パソコンを持っている」\red{でない} …(*)
さて、人全員の集合Uを全体集合として、
その部分集合として、次の3つの集合を考えます。
\begin{align*} P&=\{x\mid xさんは携帯電話を持っていて、\orange{かつ}パソコンを持っている\}\\ A&=\{
x\mid xさんは携帯電話を持っている\}\\ B&=\{x\mid xさんはパソコンを持っている\}\end{align*}
このとき、
Pは、Uの要素で、条件pを満たすもの全体の集合
であり、とすると、
\overline{P}は、Uの要素で、条件pを満たさない、
すなわち、条件「pでない」を満たすもの全体の集合
であることがわかります。一方、Pを、AとBを使って表すと、「かつ」があることから、
P=A\cap Bであることがわかります。
(A\orange{\cap}B=\{x\mid x\in A\quad \orange{かつ}\quad x\in B\}でしたね→前回のココ参照
また、A\green{\cup}B=\{x\mid x\in A\quad \green{または}\quad x\in B\}も思い出しましょう。)
すると、\overline{P}は、上の「ド・モルガンの法則」を使って、次のように書けます。
\begin{align*} \red{\overline{P}}&=\overline{A\orange{\cap}B}\\ &=\overline{A}\green{\cup} \overline{B}\\ &=\{x\mid xさんは携帯電話を持ってい\red{ない}\}\green{\cup}\{x\mid xさんはパソコンを持ってい\red{ない}\}\\ &=\{x\mid xさんは携帯電話を持ってい\red{ない}か、\green{または}、パソコンを持ってい\red{ない}\}\end{align*}
したがって、「pでない」という条件は、次のように書き直せます。
上の(*)とよく見比べてください。
\overline{p} : xさんは携帯電話を持ってい\red{ない}か、\green{または}、パソコンを持ってい\red{ない}
このようにして、集合と似たようなことが、普通の文章でも成り立ちます。
ド・モルガンの法則(条件ver.)
2つの条件p,qについて、次が成り立つ。
(1) 「p\orange{かつ}q」の否定は、「p\red{でない}\quad \green{または}\quad q\red{でない}」
(2) 「p\green{または}q」の否定は、「p\red{でない}\quad \orange{かつ}\quad q\red{でない}」
2つの条件p,qについて、次が成り立つ。
(1) 「p\orange{かつ}q」の否定は、「p\red{でない}\quad \green{または}\quad q\red{でない}」
(2) 「p\green{または}q」の否定は、「p\red{でない}\quad \orange{かつ}\quad q\red{でない}」
集合のときと条件のときとで、
「補集合」と「否定」、「\cap」と「かつ」、「\cup」と「または」が
それぞれ(意味的に)対応していることを確かめてください。
例えば、条件pを、
p : 整数aが2でも3でも割り切れる
として、pの否定を考えます。条件pは、あえて「かつ」を入れて、
「整数aが2で割り切れ、かつ3でも割り切れる」ということができます。
そこで、上の「ド・モルガンの法則」を使うと、
pの否定\overline{p}は、
\overline{p} : 整数{a}が2で割り切れ\red{ない}か、\green{または}3で割り切れ\red{ない}
となります。一方、今度は条件qを、
q : 整数aが2で割り切れるか、3で割り切れる
として、qの否定を考えます。これも、条件qをあえて「または」を入れて、
「整数aが2で割り切れ、または3でも割り切れる」ということができますから、
qの否定\overline{q}は、
\overline{q} : 整数{a}が2で割り切れ\red{なく}、\orange{かつ}3でも割り切れ\red{ない}
となります。
練習問題
Q2. 次の条件の否定を作れ。 [解答]
(1) 自然数nが奇数かつ素数である
(2) 実数xがx<1またはx>2である
(3) aさんはテニス部かバレーボール部に入っている
(4) sさんはA高校にもB高校にも通っていない
Q2. 次の条件の否定を作れ。 [解答]
(1) 自然数nが奇数かつ素数である
(2) 実数xがx<1またはx>2である
(3) aさんはテニス部かバレーボール部に入っている
(4) sさんはA高校にもB高校にも通っていない
と、いうわけで、
少し小難しい話をしましたが、
ご理解いただけたならうれしいです。
実は次回以降も、こういった論理の話を基本的にします。
1つずつ理解していってほしいと思います。
次回の内容としては、
ある文章が正しいとか誤っているとかを判定することについて、お話しします。
これは数学においては大変大事なエッセンスですので、しっかり学びましょう。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた!
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練習問題の答え
Q1.
下の図を参照。
Q2.
それぞれ一例(1) 自然数nが偶数か、(または)素数でない (自然数nが奇数でないか素数でない)
(2) 実数xがx\geq 1かつx\leq 2である (実数xが1\leq x\leq 2を満たす)
(3) aさんはテニス部にも入っておらず、かつバレーボール部にも入っていない
(aさんはテニス部にもバレーボール部にも入っていない)
(4) sさんはA高校に通っているか、(または)B高校に通っている
(sさんはA高校か(または)B高校に通っている)
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