2016年12月25日

【4か月24日ぶり】お久しぶりです皆さん…

皆さんこんにちは。
TomoKです。

すっかりこのブログを4か月、もうじき5か月も放置してしまいまして、
この記事を楽しみに待ってくださった方々には大変申しわけなく思います。

さて、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
実は、前回記事から1か月半ほど後に、
ホームページ「栗のお部屋」を開設いたしました。
下のバナーから入れます。



( https://tomok0827.jimdo.com/ です)

まずなぜホームページにしたかというと、
やはりブログを毎日とか毎週とか定期的に続けるのが
個人的に難しい(三日坊主みたいな)というのがありました。

そこで、ホームページであれば、定期更新する必要なく、
好きな時間に書けるだろう、
そして好きな時間に読んでもらえるだろう、と思ったからです。

(もちろんブログを定期更新しなければというのも
自分の固定観念のせいですが、、、)

ホームページには、数学の記事と道路関係に記事に分けて
それぞれを並立して更新しています。
ホームページとは逆で、若干道路関係のほうが更新は多めかな?

さて、
今後もこのブログは廃止しません。
気が向いたら遊びに来ます。
日頃の雑感とか、
ホームページの最近の更新のようすとか、
何か書きたくなったらまたこっちに来たいと思っております。

ちなみに、このブログで8月まで書いてた数学の記事は、
ホームページにも、若干手を加えると思いますが、同じものを掲載予定です。
復習にどうぞ!

ということで、2016年も残り1週間ですので、
皆様も体調を気を付けて、よい新年をお迎えください!!

🎄Merry Christmas & Happy New Year!!🎍

2016年8月1日

【高校数学I】背理法

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今日は、直接証明するのが難しい場合によく使われる
「背理法」をご紹介します。

「背理法」というのは、
「Aを証明するのに、Aでないと仮定して、矛盾を導く」証明法です。

「矛盾」というのは、つじつまの合わないことが2つ(以上)ある状態を指します。
つまり、「Aでないと仮定したら、そこから2つ(以上)のつじつまが合わないことが出てくる」
というのが、この背理法です。

1回実例を見てみましょうか。

例題
EXQ1. 背理法によって、次の命題を示せ。
「整数$n$に対し、$n^2$が3の倍数ならば、$n$は3の倍数である。」

今回証明するのは、
「$n^2$が3の倍数ならば、$n$は3の倍数である」ということです。

したがって、背理法の仮定は、この否定の、
「$n^2$が3の倍数であって、かつ$n$が3の倍数でない」としておきます。

「$n$が3の倍数でない」ときは、$n$を3でわって1または2余るので、
ある整数$k$を用いて、$n=3k+1$もしくは$n=3k+2$と書けます。

ここで、$n^2$を考えると、
$n=3k+1$のとき、$n^2=(3k+1)^2=9k^2+6k+1=3(3k^2+2k)\underline{+1}$
$n=3k+2$のとき、$n^2=(3k+2)^2=9k^2+12k+4=3(3k^2+4k+1)\underline{+1}$
となって、いずれにしても、$n^2$が3の倍数ではなくなります。

今、背理法の仮定では、$n^2$が3の倍数だとしているので、
ここで食い違い、矛盾が起きます。

この矛盾はなぜ起こったかといえば、もともと示すべき命題の否定の
「$n^2$が3の倍数であって、かつ$n$が3の倍数でない」を仮定したからで、
つまりはその仮定が間違い、よってもとの
「$n^2$が3の倍数ならば、$n$は3の倍数である」が正しい、ということになります。

以上を整理して、この例題の命題の証明を書き上げてみましょう。

[証明]
背理法で証明する。
$n^2$が3の倍数であって、かつ$n$が3の倍数でないと仮定する。
このとき、$n$を3で割ると1または2余るので、
ある整数$k$を用いて、$n=3k+1$または$n=3k+2$と書ける。
ここで、
$n=3k+1$のとき、$ n^2=(3k+1)^2=9k^2+6k+1=3(3k^2+2k)+1$
$n=3k+2$のとき、$n^2=(3k+2)^2=9k^2+12k+4=3(3k^2+4k+1)+1$
となり、いずれの場合も$n^2$が3の倍数でないことになるが、
これは、$n^2$が3の倍数であるという仮定に矛盾する。
以上により、$n^2$が3の倍数ならば、$n$は3の倍数であることが示された。  (終)

背理法の証明は、

①背理法の仮定を記す。
 すなわち、これから証明しようとする命題の否定を仮定する。

②その仮定から、つじつまが合わない2つ(以上)の結果を導く。

③②の2つ(以上)の結果が矛盾すること、したがってもとの命題が成り立つことを記す。

の順番で書いていきます。
できれば、背理法の証明をするときには、最初に「背理法で証明する」などと一言断っておくと、
読む人に丁寧な印象を与えます。(何せ、証明というのは論説文ですから)

さて、背理法は、よく「~でない」という形の命題で使われることが多いです。
(もちろんいつもそうとも限りませんが…)
実数に関するトピックとしては、「ある数が無理数であることの証明」によく使われます。

次の例を見てみましょう。

例題
EXQ2. 背理法と上のEXQ1を用いて、$\sqrt{3}$が無理数であることを示せ。

無理数というのは、分数で表すことのできない実数のことでした。
背理法の仮定は、「$\sqrt{3}$が無理数でない」、すなわち、「$\sqrt{3}$が有理数である」です。

有理数であるならば、こんどは分数で表されるということになります。
特に、どんな分数も、約分して、それ以上約分できないようにする(既約分数にする)ことが可能です。
このとき、分母と分子の最大公約数は1となる(互いに素である)ことに注意しましょう。

さて、背理法の仮定によれば、最大公約数が1となる2つの整数$m,n$を用いて、
$\sqrt{3}=\dfrac{m}{n}$と書けることになります。
ここで両辺に$n$をかけることで、$n\sqrt{3}=m$がわかります。

$\sqrt{3}$のままでは扱いにくいので、2乗してしまいましょうか。
すると、$3n^2=m^2\quad \cdots (*)$となって、$m^2$が3の倍数だということがわかります。
すると、上のEXQ1が使えて、$m$が3の倍数と分かります。

そうなると、ある整数$k$を用いて$m=3k$と書けます。
これを$(*)$に代入すると、$3n^2=(3k)^2$すなわち$3n^2=9k^2$となって、
この両辺を3で割ると、$m^2=3k^2$となります。
すると今度は$n^2$が3の倍数なので、
再びEXQ1によって、$n$が3の倍数であることになります。

以上のことから、$m,n$がともに3の倍数であることになりますね。
でも、$m,n$の設定は何だったでしょう?
そうですね。$m,n$の最大公約数は1でした。
$m,n$がともに3の倍数であれば、最大公約数は3の倍数、少なくとも1ではなくなりますから、
ここで矛盾が発生します。

この矛盾が発生する原因は、もともと「$\sqrt{3}$が有理数である」と仮定したからでした。
よって、この仮定は間違い、したがって結局「$\sqrt{3}$が無理数である」というのが正しい、と分かります。

以上をまとめて、$\sqrt{3}$が無理数であることの証明を清書しましょう。

[証明]
背理法で証明する。
$\sqrt{3}$が無理数でない、すなわち$\sqrt{3}$が有理数であると仮定する。
このとき、最大公約数が1となる2つの整数$m,n$を用いて、$\sqrt{3}=\dfrac{m}{n}$と表せる。
この両辺に$n$をかけると、  $n\sqrt{3}=m$
さらに両辺を2乗して、      $3n^2=m^2\quad \cdots (*)$
したがって、$m^2$は3の倍数となるから、$m$は3の倍数であるので、
ある整数$k$を用いて、$m=3k$とおける。
このとき、$(*)$により、 $3n^2=(3k)^2$ すなわち $3n^2=9k^2$
両辺を3でわって、          $n^2=3k^2$
したがって、$n^2$は3の倍数となるから、$n$は3の倍数である。
ところがこのとき、$m,n$はいずれも3の倍数であり、これは$m,n$の最大公約数が1であることに矛盾する。
以上によって、$\sqrt{3}$は無理数であることが証明された。   (終)

注意したいのは、背理法の証明においては、
矛盾が出るまでは、背理法の仮定を念頭に置いておかなければならない
という点です。
長めの背理法の証明になると、背理法の仮定を忘れて、
「証明内のことが(無条件に)成り立つ」と思い込みがちです。

今回の例だと、$\sqrt{3}=\dfrac{m}{n}$となる、
最大公約数が1の2つの整数$m,n$があたかも存在するかのようにして証明を進めています。
そして、$m,n$がいずれも3の倍数となってしまうという結果に導いています。

しかし、それは、つねに背理法の仮定「$\sqrt{3}$が有理数である」がきいているからこそ、
導かれることに注意しなければならないです。
決して無条件に、そのような$m,n$が存在する、ということではないのです。
そして、実際にはそのような$m,n$がない、といえるのは、
その仮定を認めたうえで矛盾が生じた結果としていえることだ、ということになるわけです。

背理法の証明を読む際は、ぜひこの点に注意してください。

練習問題
Q1. 背理法によって、次のことを証明せよ。   [解答]
 (1) 整数$n$に対し、$n^2$が偶数ならば、$n$も偶数であること。
 (2) $\sqrt{2}$が無理数であること。 ((1)を用いてよい)

と、いうわけで、今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた!

2016年7月23日

【高校数学I】逆・裏・対偶と対偶証明法

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今回はまず、命題$p\Rightarrow q$から「形式的に」作られるいくつかの命題について取り上げます。

(補足:この記事を公開後、一部誤りがあるとの指摘を受け、
公開当日中に確認し、訂正をしました。ご指摘くださった方に御礼申し上げます。
その他不具合も確認したので訂正しました。以下は訂正後の内容です)

[1] 逆・裏・対偶

命題$p\Rightarrow q$に対し、
             $q\Rightarrow p$を、$p\Rightarrow q$の 逆
             $\overline{p}\Rightarrow \overline{q}$を、$p\Rightarrow q$の 裏
             $\overline{q}\Rightarrow \overline{p}$を、$p\Rightarrow q$の 対偶
と呼びます。

逆は文字どおり"$\Rightarrow$"の前後を逆にしたものです。

裏は"$\Rightarrow$"の前後でそのまま否定をとったものです。

対偶は、"$\Rightarrow$"の前後を入れ替えて、さらに否定をとったものです。
したがって、「対偶は逆の裏」になっています。

さて、逆・裏・対偶の真偽がどうなるのかについて、次の例題で見てみましょう。

例題
EXQ1. 次の命題の真偽を調べよ。また、逆・裏・対偶を作って、それらの真偽を調べよ。
「実数$x$について, $x>0$ならば$x^2>0$である」

まず、元の命題は、正の数の2乗は必ず正だから、真です。

次に、逆・裏・対偶を順番に調べていきましょう。

逆は、「ならば」の前後を入れ替えるので、
「(2つの実数$x,y$に対して,) $\bold{x^2>0}$ならば$\bold{x>0}$」
となります。
これは、たとえば$x=-1$を反例として偽となります。
$x=-1$ならば、$x^2=(-1)^2=1>0$となるからです。

続いて裏ですが、今度はもとの「ならば」の前後の否定をとりますから、
「(2つの実数$x,y$に対して,) $\bold{x\leqq 0}$ならば$\bold{x^2\leqq 0}$」
となります。
これも、同じく$x=-1$のときが反例になって、偽になります。

最後。対偶ですが、「ならば」の前後を入れ替えてそれぞれの否定をとるので、
「(2つの実数$x,y$に対して,) $\bold{x^2\leqq 0}$ならば、$\bold{x\leqq 0}$」
となります。
これは、$x^2\leqq 0$となるのは、$x=0$のときだけです。
($x\neq 0$なら、必ず$x^2>0$になりますよね)
そして$x=0$ならたしかに$x\leqq 0$が言えますから、真です。

この例題の命題のように、命題「$p\Rightarrow q$」については、
・もとの命題が真であっても、その逆が必ずしも真になるとは限らない
ことに注意しましょう。

ですが、実は次のことが必ず言えます。

対偶の真偽
命題$p\Rightarrow q$と、その対偶$\overline{q}\Rightarrow \overline{p}$の真偽は一致する。

確かに、上の例題でも、もとの命題は真で、対偶も真でした。

これは、$p,q$の成り立つような$x$の集合を考えることで説明できます。

仮に、$p\Rightarrow q$が成り立っていたとしましょう。
考える全体集合を$U$とし、そのうち$p,q$の成り立つような$x$の集合をそれぞれ$P,Q$とすると、
$p\Rightarrow q$が成り立つので、$P\subset Q$になります。
ここで、$P,Q$の補集合を考えると、位置が逆転して$\overline{Q}\subset \overline{P}$が言えますが、
これは$\overline{q}\Rightarrow \overline{p}$が成り立つことにほかなりません。

したがって、もとの命題が真ならば、その対偶も真になることがわかりました。

一方、いまの下線部が真であることがわかったので、下線部の対偶をとることで、
「対偶が偽ならば、もとの命題が偽」が言えます。
したがって、もとの命題が偽のときは、対偶の対偶がもとの命題に戻ることを考えて、
対偶が偽であることがわかります。

以上から、もとの命題と対偶は真偽が一致することがわかりました。

ところで、逆と裏の関係も対偶どうしなので、ある命題の逆と裏の真偽も一致します。

練習問題
Q1. 次の命題の真偽を答えよ。
  また、それぞれの逆・裏・対偶を作り、それらの真偽を答えよ。   [解答]
 (1) 実数$x$について、$x=0\Rightarrow x^2=0$
 (2) 整数$n$について、$n$が6の倍数$\Rightarrow n$が3の倍数
 (3) 整数$n$について、$n^2$が4の倍数$\Rightarrow n$が4の倍数

[2] 対偶証明法

さて、もとの命題とその対偶との真偽が一致するので、
・命題$p\Rightarrow q$を示すのに、その対偶$\overline{q}\Rightarrow \overline{p}$を示してもよい
ということが言えます。
これは、命題$p\Rightarrow q$を直接導くことが難しい場合に利用されることがあります。

例題
EXQ2. 実数$x,y$について、
  $x+y\neq 4$ならば、$x\neq 2$または$y\neq 2$であることを証明せよ。

これは、そのまま$x+y\neq 4$からはじめて、$x\neq 2$または$y\neq 2$を示すのは極めて難しいです。
そこで、この命題の対偶を考えます。
$x\neq 2$または$y\neq 2$の否定は「$x=2$かつ$y=2$」になることを注意すると、
命題の対偶は、「$x=2$かつ$y=2$ならば、$x+y=4$」となりますね。
これだったら簡単です。$2+2=4$ですから。

したがって、改めてこの命題の証明を清書すると、次のようになります。

[証明]
示すべき命題の対偶は、「$x=2$かつ$y=2$ならば、$x+y=4$」であるが、
$x=2$かつ$y=2$ならば、$x+y=2+2=4$である。
したがって、対偶が示されたので、示すべき命題が成り立つことも示された。 (終)

まず、対偶がどうなるかを記し、その対偶を示します。
最後は、対偶が示されたので、もとの命題が成り立つことを言えば、完結します。

練習問題
Q2. 対偶を証明することにより、次のことを証明せよ。   [解答]
 (1) 実数$x$について、$x^2\neq 1$ならば、$x\neq 1$である。
 (2) 整数$a$について、$a^2$が偶数ならば、$a$も偶数である。

次回も、対偶証明とはまた別の、直接でない証明の方法を紹介したいと思います。

では、今回はここまで。
お読みくださりありがとうございました。
ではまた!


2016年7月14日

【高校数学I】必要条件と十分条件

皆さんこんにちは!
TomoKです。

前回までにいろいろな条件や命題を見てきたわけですが、
2つの条件$p,q$に対して、それらの「成り立つ」「成り立たない」の関係を見るのに、
「必要条件」と「十分条件」という考え方を使います。

定義
2つの条件$p,q$について、
(i) $p\Rightarrow q$が成り立つとき、$p$は$q$であるための十分条件であるという。
(ii) $q\Rightarrow p$が成り立つとき、$p$は$q$であるための必要条件であるという。

$p\Rightarrow q$が成り立つときは、
$p$という条件があれば、$q$という条件が成り立つのに十分である、
という意味合いで、「$p$は$q$であるための十分条件」というわけです。

次に、$q\Rightarrow p$が成り立つときは、
$q$という条件を成り立たせるためには、少なくとも$p$という条件が必要である、
という意味合いで、「$q$は$p$であるための必要条件である」というわけです。

だいぶどっちがどっちだか迷うかもしれません。
この記事を書いている私もここのところは結構わかるのに時間がかかった覚えがあります。

上のことを図でかいてみます。
ただし、この図では「$q\Rightarrow p$」のことを「$p\Leftarrow q$」と表しています。



「は」から「であるための」に向かう矢印が成り立つのは十分条件
「であるための」から「は」に向かう矢印が成り立つのは必要条件
です。

有名な覚え方で下のようなものがあります。
これを最初に思いついた人ってなかなかセンスあるような気がします。

注意しなければならないのは、
「は」「ための」の位置を合わせておかないとならないことです。
必ず、「は」は左、「ための」は右において考えます。

ともかく、「十分条件」と「必要条件」が逆にならないように覚えておきましょう。

定義
2つの条件$p,q$について、$p$が$q$であるための十分条件かつ必要条件であるとき、
すなわち、$p\Rightarrow q$かつ$q\Rightarrow p$が成り立つとき、
$p$は$q$であるための必要十分条件である、または$p$と$q$は同値であるといい、
$p\Leftrightarrow q$で表す。

一般には、$p\Rightarrow q$が仮に成り立っても、その逆の$q\Rightarrow p$が成り立つとは限りません。
しかし、$p\Rightarrow q$と$q\Rightarrow p$の両方が成り立った場合は、
$p$と$q$の条件は同じときに成り立つと考えてよいわけです。
その時、$p$は$q$であるための必要かつ十分な条件となり、
それを$p$と$q$は同値であるということがある、というわけです。

例題
EXQ1. 次の[    ]にあてはまる最も適切なものを、次の①~④から選べ。
  ①必要条件ではあるが、十分条件ではない
  ②十分条件ではあるが、必要条件ではない
  ③必要十分条件である
  ④必要条件でも十分条件でもない

 (1) 実数$x$について、$x=1$であることは、$x^2=1$であるための[    ]。
 (2) 整数$a$について、$a^2$が4の倍数であることは、$a$が4の倍数であるための[    ]。
 (3) 自然数$p$について、$p$が素数であることは、$p$が奇数であるための[    ]。

よくある問題です。
「は」のついたほうの条件を左に、「ための」のついたほうの条件を右において、
$\green{十}\rightleftarrows \orange{要}$ですね。

(1)をこの図式にあてはめると
$\green{x=1}\rightleftarrows \orange{x^2=1}$となります。

・$\green{x=1}\Rightarrow \orange{x^2=1}$は$1^2=1$より真です。
 「十」のほうから出ている→がOKなので、十分性はあります。

・$\green{x=1}\Leftarrow \orange{x^2=1}$
 すなわち$x^2=1\Rightarrow \green{x=1}$はどうかというと、
 $x^2=1$から出てくるのは$x=1,-1$の2つがあるので、 $x=-1$を反例として偽です。
 「要」のほうから出ている←がNGですので、必要性はありません。

以上のことから、(1)の[   ]に入るのは、②だとわかります。

同じようにして(2)(3)を調べます。

(2)の図式は
$\green{a^{2}が4の倍数}\rightleftarrows \orange{aが4の倍数}$

・$\green{a^{2}が4の倍数}\Rightarrow \orange{aが4の倍数}$を考えると、
 $a=2$のとき、$a^2=4$は4の倍数だが、$a=2$は4の倍数でないから、 $a=2$を反例として偽
 「十」のほうから出ている→がNGだから、十分性はなし。

・$\green{a^{2}が4の倍数}\Leftarrow \orange{aが4の倍数}$
 すなわち$aが4の倍数\Rightarrow a^{2}が4の倍数$は、
 $a=4k$($k$は整数)とおくと、$a^2=(4k)^2=16k^2=4\cdot 4k^2$は4の倍数 よって真
 「要」のほうから出ている←がOKだから、必要性はあり。

以上のことから、(2)の[   ]に入るのは、①

(3)の図式は
$\green{pが素数}\rightleftarrows \orange{pが奇数}$

・$\green{pが素数}\Rightarrow \orange{pが奇数}$は、
 $p=2$は素数だが奇数でないから、$p=2$を反例として偽
 「十」のほうから出ている→がNGだから、十分性はなし。

・$\green{pが素数}\Leftarrow \orange{pが奇数}$ すなわち$pが奇数\Rightarrow pが素数$は、
 $p=9$は奇数だが素数でない($9=3^2$)ので、$p=9$を反例として偽
 「要」のほうから出ている←がNGだから、必要性もなし。

以上のことから、(3)の[   ]に入るのは、④

練習問題
Q1. 次の[    ]にあてはまる最も適切なものを、次の①~④から選べ。   [解答]
  ①必要条件ではあるが、十分条件ではない
  ②十分条件ではあるが、必要条件ではない
  ③必要十分条件である
  ④必要条件でも十分条件でもない

(1) 整数$a$について、$a$が3の倍数であることは、$a$が6の倍数であるための[    ]。
 (2) 実数$x$について、$2\leqq x<5$であることは、$x>0$であるための[    ]。
 (3) 四角形ABCDについて、
  AB=BC=CD=DAであることは、∠A=∠B=∠C=∠Dであるための[    ]。
 (4) 自然数$n$に対し、
  $n$が40と60の公約数であることは、$n$が20の約数であるための[    ]。
 (5) 2つの実数$x,y$について、$xy=0$であることは、$x=0$かつ$y=0$であるための[    ]。

さて、論理に関する事柄を知ったところで、それらを使わなければあまり意味をなしません。
次回以降は、その「実際に使ってみる」ところをやることになります。
つまり、いろいろな命題が正しいことを論理的に証明する方法を考えていきます。

もちろん、そのまま証明するのができればそのほうがいいのですが、
場合によってそれが難しいこともあるので、
そんな時、ほかにどういった手段が使えるのかを見ていくことにしましょう。

今日はここまでです。
お読みくださってありがとうございました。
ではまた!

2016年7月8日

【高校数学I】「すべて」と「ある」

皆さんこんにちは!
TomoKです。

今日は「すべて」と「ある」を用いた命題について考えます。

前回同様、ある集合$U$を全体集合とし、
$U$の要素$x$の条件$p(x), q(x)$を考えます。
そしてそのとき、$U$の部分集合として、
条件$p(x)$を満たす$x$全体の集合を$P$とします。

さて、$U$の要素$x$に関する命題
すべての$x$について$p(x)$
は、$x$が$U$の要素であれば、必ず$x$が条件$p(x)$を満たすことを意味します。

$P$は$p(x)$を満たす$U$の要素全体の集合ですから、
「すべての$U$の要素$x$について$p(x)$」が真であるときは、$\orange{U=P}$となります。

「すべての」の部分は、人によって、
「任意の」とか「勝手な」という言い方をすることもありますが、
すべて同じ意味です。

次に、これと(ある意味)対になる命題として、
ある$x$について$p(x)$
というのがあります。
これは、$U$の中に、$p(x)$を満たす$x$がある、という意味です。

今度は、「ある$U$の要素$x$について$p(x)$」が真であることは、$\green{P\neq \emptyset}$ということになります。

ちなみにこれも言い方が人によっていろいろありまして、
「ある$x$について$p(x)$」のことを、
「$p(x)$を満たす$x$が(少なくとも1つ)存在する」とか、
「適当な$x$について$p(x)$」と言ったりします。
(ちなみに数学でいう「適当な」は、「条件を満たすようにとってきた」というような意味です)

さて、この「すべて」と「ある」を用いた命題が偽であるとはどんなときか、考えましょう。

まず、「すべてのUの要素$x$について$p(x)$」が偽であるのは、
さっきの$P$を用いれば、$U=P$が偽、つまり、$U\neq P$ということです。
$P$は全体集合$U$の部分集合なので、これの意味することは、
$U$の要素で、$P$の要素でないものがあるということです。
集合の式で書くと、$U\neq P$だから、$\overline{P}\neq \emptyset$ということです。

したがって、
          「すべてのUの要素$x$について$p(x)$」が偽であるときは、
          「あるUの要素$x$について$\overline{p(x)}$」が真のとき
と分かります。

言葉や式だとわかりにくいと思いますが、図で書けば下のようになります。


次に、「ある$U$の要素$x$について$p(x)$」が偽であるのは、
$P\neq \emptyset$が偽、すなわち$P=\emptyset$ということです。
これは、$p(x)$を満たす$x$が($U$の中に)存在しない、
すなわち、すべての$x$について$p(x)$が満たさない、ということです。
これも集合で言えば、$P=\emptyset$だから、$\overline{P}=U$ということになりますね。

したがって、
          「あるUの要素$x$について$p(x)$」が偽であるときは、
          「すべてのUの要素$x$について$\overline{p(x)}$」が真のとき
となります。

これも図で見るといくらかわかりやすいと思います。



ここまでのことを、「否定」という言葉で表現すると、次のことが言えたことになります。

ド・モルガンの法則(「すべて」と「ある」ver.) 
2つの条件$p,q$について、次が成り立つ。
(1) 「すべての$x$について$p(x)$」の否定は、「ある$x$について$\overline{p(x)}$」
(2) 「ある$x$について$p(x)$」の否定は、「すべての$x$について$\overline{p(x)}$」

このように、「すべて」と「ある」のときも、否定をとると互いに入れ替わります。

例題
EXQ1. 次の命題の否定を作れ。
 (1) すべての実数$x$について $x^2=1$
 (2) ある自然数$n$について $n$は偶数
 (3) すべての実数$x,y$について $x>0$または$y>0$

条件部分が否定されるだけでなく、「すべて」と「ある」が入れ替わることに注意です。

(1)は、$x^2>0$の否定は$x^2\neq 1$なので、
(1)の否定は $\bold{ある実数xについて x^2\neq 1}$

(2)は、$n$が自然数の範囲では「$n$が偶数」の否定は「$n$が奇数」なので、
(2)の否定は、$\bold{すべての自然数nについて nは奇数}$

(3)はちょっと注意。
「$x>0$または$y>0$」の否定は、「$x\leqq 0$かつ$y\leqq 0$」でしたよね。
したがって、(3)の否定は、$\bold{ある実数x,yについて x\leqq 0かつy\leqq 0}$です。

練習問題
Q1. 次の命題の否定をつくれ。   [解答]
 (1) すべての実数$x$について $x^2>x$
 (2) ある実数$x,y$について $x^2+y^2=0$
 (3) ある四角形ABCDについて AB=CD かつ AD=BC

さて、先ほどの話から、次のことが言えます。

・「すべての$x$について$p(x)$」が真であることを言うには、
 xをとりあえず1つとってきて、それが$p(x)$を満たすことを証明する
・「すべての$x$について$p(x)$」が偽であることを言うには、
 $p(x)$を満たさないxを1つ挙げる(反例を示す)

だから、「すべて」を用いた命題は、
感覚としては「ならば」のときと同じようなものだと考えていいでしょう。

ですが、「ある」のときは状況が逆転しまして、

・「ある$x$について$p(x)$」が真であることを言うには、
 $p(x)$を満たすxを1つ挙げる
・「ある$x$について$p(x)$」が偽であることを言うには、
 xをとりあえずとってきて、それが$p(x)$を満たさないことを証明する
 (または、$p(x)$を満たすxがあるとして矛盾を導く →「背理法」 後日扱います。)

となります。

例題
EXQ2. 次の命題の真偽を答えよ。
 (1) すべての実数$x$について $x^2\geqq 0$
 (2) すべての整数$a$について $\sqrt{a}$は整数である
 (3) ある素数$p$について $p$は偶数である
 (4) ある実数$x,y$について $x^2+y^2<0$

(1)は、正の数でも、0でも、負の数でも、
どんな実数をとってきても、2乗すれば必ず0以上になりましたから、
(1)は真です。

(2)はどうかというと、
例えば$a=3$とすると、$\sqrt{a}=\sqrt{3}=1.732\cdots$となり、整数になりません。
したがって、反例$a=3$により、(2)は偽です。

(3)ですが、今度は「ある」を用いた命題です。
素数$p$で偶数であるものといえば、$p=2$がありますね。
ですから、(3)は真です。

最後の(4)です。
これも「ある」を使った命題ですが、
どんな実数$x,y$をとってきても、$x^2\geqq 0$かつ$y^2\geqq 0$より$x^2+y^2\geqq 0$になります。
すなわち、どんな実数$x,y$でも、$x^2+y^2<0$とはなりえないので、
(4)は偽となります。

練習問題
Q2. 次の命題の真偽を答えよ。   [解答]
 (1) すべての実数$x$について $|x|=x$
 (2) ある実数$x,y$について $x+y=0$
 (3) すべての偶数$m$について $\dfrac{m}{2}$は整数
 (4) ある実数$x$について $x^2+1=0$

レベルアップ問題
LUQ12. 実数$x,y$に関する条件$p(x,y)$について、次は成り立つか。
 (1) 「すべての実数$x$について、ある実数$y$があって、$p(x,y)$」が真ならば、
   「ある実数$y$があって、すべての実数$x$について、$p(x,y)$」も真である。

 (2) 「ある実数$y$があって、すべての実数$x$について、$p(x,y)$」が真ならば、
   「すべての実数$x$について、ある実数$y$があって、$p(x,y)$」も真である。

LUQ13. 次の命題の真偽を答えよ。
 (1) すべての実数$a$について、ある実数$x$があって、$x^2=a$
 (2) ある実数$x$があって、すべての実数$a$について、$x^2=a$
 (3) すべての自然数$K$について、ある自然数$N$があって、
  $N$より大きいすべての自然数$n$について、$\sqrt{n}>K$

さて、ここまでで、いろいろな命題を見ていきました。
次回は、これを踏まえ、数学をやるうえで大事な考え方である
「十分条件」と「必要条件」について扱います。

では、今回はここまで。
お読みくださり、ありがとうございました。
ではまた!